Zipline(ジップライン)~ドローンによる輸血血液の輸送をルワンダで実験中のスタートアップ企業

Zipline(ジップライン)~ドローンによる輸血血液の輸送をルワンダで実験中のスタートアップ企業

AmazonやUPSなどが配達にドローンを利用することを検討しているなか、すでに医療用輸血血液を実際にアフリカの大地で輸送しているスタートアップ企業があります。

その名もZipline(ジップライン)

 

米国カリフォルニア州ハーフムーンベイのスタートアップ企業で、2011年に設立されたばかりの企業です。




 

創業者の三人(Keller Rinaudo、Keenan Wyrobek 、William Hetzler)はハーバード大の卒業生。

もともとはRomotiveという名前の事業を行っていましたが、その後、Zipline(ジップライン)事業に注力することに。

どんな仕組みなのかは言葉で書くよりも動画で見る方が遥かにわかりやすいでしょう。

以下にCNBCで紹介されたときの動画がありますが、非常にシンプルかつスマートな輸送システムなことがわかります。

 

Zipline(ジップライン)は途上国に最適な輸送手段か?

ルワンダなどアフリカの大地では、道路が未整備です。

そうした場所ではドローンによる輸送は非常に効率的だと思われます。

しかもこのZipline(ジップライン)のドローンは時速128㎞の速度で飛行できるとのこと。

舗装されていない下道を走るよりも素早く輸血用血液を届けることができ、非常に効率的です。

(しかも雨季には通行すら不可能な場合も多いわけで、このZipline(ジップライン)のシステムは画期的です。)

また、航続可能距離は161キロとのことで、往復を考えても、関東一円をカバーする程度の航続距離は達成しています。

ルワンダで実験されているZipline(ジップライン)の最新ドローンでは、一日に500回のフライトを実現させることが可能になっているとのこと。

以前は数十回程度でしたが、ここ1年程度で大幅にシステムが洗練。

2019年春までに11000回の輸血を行ったとのことです。

 

 

 

 

ゆくゆくはFAAと協力して米国でもZipline(ジップライン)を飛ばす計画

Zipline(ジップライン)は現在、ルワンダで運用しているほか、タンザニアなどでも計画があるそうです。

これに加えて、将来的にはアメリカ本土でも利用可能な地域がないかFAAと協力しているとのことです。

アメリカは自家用機なども多く飛ぶためいろいろと厄介な部分はありますが、実現すればかなり魅力的な輸送手段となることが確実です。

AmazonやUPS、フェデックスなどもドローン輸送を実験しています。

しかしそれらは、丁寧に、しっかり運ぶことを目的としています。

そのため、スピードはゆっくりですし、ドローンのエネルギー効率も悪い。

 

それに対して

Zipline(ジップライン)の輸送は、雑でもいいから兎に角すばやく運ぶ

ことに力点が置かれています。

着眼点がすごくいいですよね。

医療用などの分野で確実に需要があるのがわかります。

素晴らしい技術すぎて感動ものです。

今後は各パーツなどの生産性も上がり、コストも激減するはず。

間違いなく、次の時代の輸送手段のひとつになることでしょう。