【1211.hk】BYD(比亜迪)の業績・決算と株価~バフェットやマンガーも絶賛する中国のEVメーカー

【1211.hk】BYD(比亜迪)の業績・決算と株価~バフェットやマンガーも絶賛する中国のEVメーカー

今回は、中国のEVメーカーBYD(比亜迪)についてみていきます。

BYD(比亜迪)はバフェットやマンガーも絶賛し、実際にバークシャー・ハサウェイも投資している企業です。

もともとバッテリーの専業メーカーでしたが、その後、自動車の生産にも進出。

近年はEVの生産で有力なメーカーに育ちました。

そんなBYD(比亜迪)について、まずはその事業内容から見ていきましょう。




 


BYD(比亜迪)の事業内容

BYD(比亜迪)の事業内容は、自動車(ガソリン車)、EV(電気自動車)、IT機器、EVバス、モノレールなど公共交通手段の生産と販売です。

ただ近年はIT機器の生産部門は売却方針を強めており、実際に部門ごとにちょこちょこと売っていっているようです。

その資金をもとにEVの生産と、EVの生産に必要なバッテリー工場の増設に軸足を移しており、事業内容は今後EVの比率がどんどん高まっていくものと思われます。

 

 

 

BYD(比亜迪)はガソリン車も作っている

なお、BYD(比亜迪)はEVのイメージの強い企業ですが、実はガソリン車も作っています。

2019年1月の乗用車販売データによると、

EV・・・16219

PHV・・・11786

EVバス・・・554

その他商用車・・・109

ガソリン車セダン・・・4330

ガソリン車SUV・・・5889

ガソリン車MPV・・・5033

となっています。

全体として35~40%程度がガソリン車となっており、EVの市況だけでなく、ガソリン車の市況にも業績が振れることには注意です。




 

 

BYD(比亜迪)は日本最高の金型メーカー「オギハラ」を買収した企業

かつて、オギハラ、富士テクニカ、宮津製作所という日本三大金型メーカーがありました。

このうち、富士テクニカと宮津製作所は合併します。

そして、オギハラは・・・中国企業に買収されます。

買収したのが、BYD(比亜迪)です。

あらまぁ・・・

当時は、日本企業にまったく体力がありませんでした。

なんで中国企業に売られるのを漫然と眺めているのかよくわかりませんでしたが、とりあえず、いまではBYD(比亜迪)の傘下です。

 

 

BYDのポジティブ材料~NEV規制

BYDのポジティブ材料として最大の注目点は、中国で2019年1月から導入されたNEV規制でしょう。

このNEV規制によれば、EVの生産規模の大きいメーカーほど得をすることになります。

こうしたことから2017年から2018年にかけて、これらEVを中心とする企業の株価は強く推移しました。

実際、2019年1月の自動車販売などはEVが対前年比で100%程度のびているなど好調です。

【統計】2019年2月の中国自動車販売台数~EV好調、商用車に復調の兆しか

 

 

 

BYD(比亜迪)のネガティブ材料~EV補助金削減、景気後退

BYD(比亜迪)のネガティブ材料として最大のものは、景気後退でしょう。

中国では目下、消費が著しく減退しており、自動車販売が前年比8割程度にまで減少しています。

先にも書いたようにBYD(比亜迪)はガソリン車も生産していますから、この部分の業績には下押し圧力が働いています。

また、EVの販売好調を受け、EV向け補助金の削減が進められています。

 

 

BYD(比亜迪)の業績~2018年Q2

 

 

BYD(比亜迪)の業績は、ここもと悪化中です。

売上は伸びていますが、コストの上昇が大きくなっています。

また、売上自体も伸びが鈍化。

先にも書きましたが、EVは売れてもガソリン車が売れていません。

また、商用車補助金が昨年はガッツリ削減されましたので、BYDに限らず他のメーカーも含めて、バスなど商用車事業が大きく業績悪化しました。

BYD(比亜迪)はこのあたりの詳細なデータを開示していませんので何とも言えませんが、個人的なざっくりとした試算ではたぶん赤字化しているように思います。

 

 

 

BYD(比亜迪)は日本市場にも進出へ~EVマイクロバス『J6(ジェイシックス)』を格安で販売

報道によると、BYD(比亜迪)は日本市場にも乗り出すようです。

売り出すのはEVマイクロバス『J6(ジェイシックス)』

乗車人員数25~31人のコミュニティバス向けの車体で、価格が2000万円程度

非常に格安でありながら、バッテリー容量は105kwh

航続距離は200㎞超を達成するとのことです。

納車は2020年の春からで、2024年までに1000台の販売を目指すとのことです。

 

なお、比較のために日野自動車などのバスと比べてみると、

燃料電池バスやEVバスは、これまで大体1億円以上でした。

また、日野自動車の小型路線バスは1700万円くらいですから、2000万円程度でEVバスが購入できるというのは、(安定性などの問題を無視すれば)非常に破格に安いといえます。

なんせ、燃料代は電気ですから安いです。

BYD(比亜迪)はかなり本格的に市場を奪いにきているな、、、という感じがします。

たぶん、生産設備などが余っているんでしょうね。

設備過剰を解消するために、こんなに安く売ってきているんだと思います・・・

 

とりあえず、この件についてはまたのちほど纏めていきます。

株価もみていきましょう。

 

 

BYD(比亜迪)の株価

 

日足

週足

BYD(比亜迪)の株価は上記のようになっています。

バリュエーションは割安ではありません。

PERは30~40倍の常連ですし、EV/EBITDAは設備投資が必要なこの業界にしてはかなり高めの11倍~12倍程度となっています。

個人的には割高と思います。

バフェットの名前と、期待感などでこの株価水準です。

自分はパスですが、夢を見ている人は多いですね。

 

以上で短評を終わります。

なお、上記はあくまでも個人的な見解です。

特定の投資スタンスをおすすめするものではありません。

投資にあたっては自己責任でお願いいたします。