『モネ・テクノロジーズ』が『MONETコンソーシアム』設立へ~JR東や三菱地所など88社が参加
ホンダと日野自動車が『モネ・テクノロジーズ』に資本傘下へ
自動車メーカーのホンダと、トラックメーカーの日野自動車が『モネ・テクノロジーズ』に資本参加すると発表がありました。
『モネ・テクノロジーズ』はトヨタ自動車とソフトバンクが設立したMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)を推進するためのプラットフォームです。
同プラットフォームは今後も日本国内を中心に多方面の参加を呼び掛けていくとのことで、どうやらオールジャパン体制でGAFAなど海外の自動運転研究に対抗していく模様です。
『モネ・テクノロジーズ』とは?
ここで、『モネ・テクノロジーズ』について書いていきます。
『モネ・テクノロジーズ』はソフトバンクとトヨタ自動車が立ち上げたMaaS推進のための組織です。
株式会社として設立されていて、ソフトバンクが50.25%、トヨタ自動車が49.75%となっています。
トヨタ自動車がメジャーではなくマイナー出資で構わない、となりふり構わず突き進んでいるあたりに、同社の焦燥感が感じられます。
トヨタ自動車の豊田章男会長はこの件について
「自分たちがMaaS分野で投資をしようとしたら、いつも孫さんが先に投資していた」
みたいなことを話していました。
それなら、いっそソフトバンクと組んでしまえばいい、という判断のようです。
ソフトバンクとしても、魅力的なスタートアップに対してピンポイントでの投資は繰り返してきましたが、面での普及をするにはやはり旧来型の大きな企業と組むのはメリットがあります。
そうしたことで生まれたのが『モネ・テクノロジーズ』です。
『モネ・テクノロジーズ』はMaaS企業?ところでMaaSって?
ちなみに、先ほども書きましたがMaaSとは
Mobility as a Service
の略で、いま流行の aaS の派生形ですね。
なお aaS属には以下のようなものがあります。
AaaS アナリティクス・アズ・ア・サービス
BaaS バックエンド・アズ・ア・サービス
DaaS デスクトップ・アズ・ア・サービス/データ・アズ・ア・サービス
DBaaS データベース・アズ・ア・サービス
FaaS フレームワーク・アズ・ア・サービス/ファンクション・アズ・ア・サービス
GaaS ゲーミング・アズ・ア・サービス
HaaS ハードウェア・アズ・ア・サービス
IaaS インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス
MaaS モビリティ・アズ・ア・サービス
NaaS ネットワーク・アズ・ア・サービス
PaaS プラットフォーム・アズ・ア・サービス
SaaS ソフトウェア・アズ・ア・サービス
・・・自分はこの手の流行言葉にはなんか胡散臭さを感じてしまうのですが、わかったふりしやすいのでとりあえず使わせていただきます。
他人が使ってたら、馬鹿にするけど、自分は使うと楽な言葉の代表例ですね。
ITとかマルチメディアとかと似たようなもんです。
で、『モネ・テクノロジーズ』は何をするところなの?
『モネ・テクノロジーズ』は発表当初にはあまり具体的なものがみえていませんでしたが、
ここもといろいろな実証実験の申請などを行っており、大まかな方向性はみえてきました。
まず3月6日にはオンデマンド交通を全国20か所で実証実験すると発表。
オンデマンド交通というのは、必要な時に呼び出して、乗車位置と降車位置を事前に登録して使用する配車システムみたいなもののようです。
これをまずは「おばら桜バス」という豊田市で運行する交通システムに導入すると発表しました。
さらに3月24日には、広島県福山市とも同分野で提携。
福山市服部学区を対象に「服部学区乗合タクシー」を運行
集めたデータを研究に利用するなどしていくそうです。
とりあえず、まずはこうした配車サービスもどきを導入することで実績をあげ、その次に交通信号システムの効率的な運用だとか、交通システム全般を含めたサービスの導入をしていくつもりのようです。
『モネ・テクノロジーズ』が「MONETコンソーシアム」設立
なお、この『モネ・テクノロジーズ』ですが、日野自動車とホンダの資本参加と同時に発表したところによると、「MONETコンソーシアム」という、業界団体の垣根を飛び越えた提携も行うとのことです。
参加企業はJR東日本、三菱地所、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、サントリーホールディングス、フィリップス・ジャパン、ヤフーをはじめとする計88社
自動車メーカー以外も巻き込んで、オールジャパン体制でごちゃごちゃやろうとしているようです。
『モネ・テクノロジーズ』および『MONETコンソーシアム』の未来は?
ぶっちゃけ、『モネ・テクノロジーズ』、『MONETコンソーシアム』の未来は今のところは未知数です。
今のところはまだまだ配車サービスに毛が生えた程度でしかありません。
とりあえず、今は豊田章男会長が大好きな「お友達集め」段階だと思われます。
今後は、このお友達をたくさん集めたことで『MONETコンソーシアム』が業界団体としての発言力を高め、政府に圧力をくわえていって公道での実証実験をより簡単に行えるように法改正を促していくつもりでしょう。
『モネ・テクノロジーズ』、『MONETコンソーシアム』で変わるところと言えば、たぶんそういった政治力です。
政治力を盾にしたゴリ押しが行いやすくなる、という点が一番変わるところだと思われます。
今後のことは不確定要素が多すぎて何ともいえませんが、まぁ安全で便利な世の中になると良いですね。
以上です。