【9843】ニトリの業績・決算と株価
今回は家具大手ニトリについてみていきます。
ニトリは32期連続で増収増益を達成するなど、非常に経営が順調な企業として知られています。
ニトリはこれまで郊外事業を中心としてきましたが、一昨年あたりから都心部へも店舗展開を開始。
また、将来的に尻すぼみになる国内事業だけでなく、海外事業の拡大にも取り組むなどし始めています。
まずは、そんなあたりから書いていこうと思います。
ニトリの事業内容
ニトリの事業内容は家具の販売です。
家具のなかでもチープでカジュアルな、使えればそれでよしといったタイプの家具を中心に販売しています。
基本的には購入者による組み立て式となっていて、マニュアルに従ってパーツをあわせていけば出来上がるものとなっています。
細かいこだわりのある人々はニトリの家具を馬鹿にしますが、家具業界の価格破壊をおこした点で革新的であり、非常に重要なビジネスを展開している企業であります。
ニトリの業績
ニトリの業績は絶好調です。
32期連続増収・増益となっており、また15期連続増配でもあります。
ただここもと伸び率はやや鈍化傾向にあり、かつてほどの勢いはありません。
国内での出店余地もだいぶなくなってきており、今後は海外事業がどのように推移するかが重要な点となってくると思われます。
ニトリの海外事業
ニトリは中国で、2016年には3店出店、2017年には13点出店、2018年には13店出店しています。
店舗数でいうと、2015~2018のあいだ
8 ⇒ 11 ⇒ 24 ⇒37
と推移しています。
ところが、来期2020年2月期の出店計画でみると、中国事業で出店計画5に対して撤退が4となっています。
どうも中国はうまく事業が軌道にのっていないのではないか、という感じがします。
なお、アメリカ事業は2015~2018のあいだ
5 ⇒ 5 ⇒ 5 ⇒ 3
と推移しています。
撤退戦の様相です。
その状況で今期は出店1、退店1です。
こちらもあまり芳しくない。
ニトリの台湾事業は2015~2018のあいだ
24 ⇒ 27 ⇒ 27 ⇒ 31
となっており、こちらは今期さらに5店舗追加で36店舗にする予定とのことです。
とりあえず、ニトリは日本国内に427店舗あります。
それと比べると海外事業ほとんど目立ったものがありません。
今後も国内事業でどこまで引っ張っていけるか、そこがポイントになりそうです。
ニトリの2018年通期業績
https://twitter.com/chu_sotu/status/1115312534154665990
ニトリの2018年通期決算は売上6.3%増、営業利益7.9%増と順調
自己資本純利益率は14.5%、売上高営業利益率16.6%は非常に立派なものでしょう。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1115312682280701952
原価管理もしっかりできている印象です。
【販管費】 | ⾦額 | 前年⽐ | 売上⽐ | 前年差 |
⼈件費 | 689億円 | 107.20% | 11.30% | +0.1pt |
賃借料 | 365億円 | 108.90% | 6.00% | +0.1pt |
発送配達費 | 262億円 | 99.30% | 4.30% | ▲0.3pt |
広告宣伝費 | 166億円 | 99.60% | 2.70% | ▲0.2pt |
業務委託費 | 165億円 | 117.90% | 2.70% | +0.2pt |
展⽰什器費 | 28億円 | 34.70% | 0.50% | ▲0.9pt |
販売においては通販事業が27.3%増と好調
店舗売上は5.1%増ですから、非常に高い伸びなことがわかります。
まだ全体のシェアに占める店舗外売上比率は1割にも満たない状況ですが、今後はネットの比率が高まるかもしれません。
ニトリの株価
ニトリの株価はここもと大きく下げてきています。
というよりも、むしろアベノミクス相場以降の上昇率が650%程度ですか。。。
家具の小売企業とは思えないほどの株価上昇であり、現在はその清算中という感じがします。
これ以上の伸びしろを感じなくなった人たちが、他の新しい株に乗り換えようとしている・・・そんなところかもしれません。
現状のPERは20倍を超える程度。
年率5%で成長する企業としては、やや割高感のある水準かもしれません。
とりあえず、上記はあくまでも個人的見解です。
特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。
投資にあたっては自己責任で行っていただきますようお願いいたします。
以上です。