【8218】コメリの業績・決算と株価~郊外人口高齢化と農業生産低迷が長期下押し要因

【8218】コメリの業績・決算と株価~郊外人口高齢化と農業生産低迷が長期下押し要因

 

今回はホームセンター大手コメリについてみていきます。

コメリは一般的なホームセンターと異なり、農業資材やガーデニングなどの要素に強い店舗展開をしています。

こうしたことから日本の農業の高齢化問題、郊外の人口減少問題の影響を強く受ける可能性の高い銘柄となっています。

とりあえず、同社の事業内容などからみていきましょう。




 

 

コメリの事業内容

コメリの事業内容はホームセンターの運営となります。

コメリの創業は新潟県であり、今でも新潟市に本社機能を置いている地方企業です。

農業生産向け資材や、灯油などの燃料を安く販売することで大きくなってきた企業です。

 

コメリは大型店舗と小型店舗の組み合わせで展開しており、大型店舗はフルラインナップで建築資材、農業資材から家庭用品などまで展開。

小型店舗は主に農業などに特化した店舗展開をしており、郊外を中心に店舗展開しています。

 

 

 

コメリの業績推移

コメリの業績はここもと頭打ち傾向を示しています。

ホームセンター事業は00年代に勝ち組として扱われてきましたが、ここもと家庭用品などを中心に他のドラッグストア業態などとの競合が激しくなっています。

PB商品を充実させた大手小売りチェーンとの競合もあり、この分野でコメリはやや劣勢となっています。

 

建築資材向けはここもとの住宅着工、アパート着工ブームで好調に推移していましたが、

農業向けはやや頭打ち感も出てきている状況です。

 

 

コメリの2018年Q4決算と業績

コメリの2018年Q4決算は売上1.4%増、営業利益6.8%増となりました。

数字だけ見ればわるくないのですが、中身をみると、アパート建設、住宅建設の活況で工具、金物、作業用品、リフォーム資材などが増加する一方

園芸農業関連の売り上げは大きく落ち込んでいます。

 

 

この背景にコメリがあげているのは2018年の天候不順問題です。

ただ個人的には、郊外の住民たちが高齢化していることと、農家の高齢化の問題から、農業関連は今後大きく伸び悩むのではないかと見ています。

コメリにとって、農業、園芸は20%以上をしめる主力セグメントであり、ここが下がるというのはかなりネガティブな印象となります。

 

 

コメリの株価

週足

日足

 

コメリの株価は長期的にみて非常に伸び悩んでいます。

なお、BPSは3431.62円であり、現在の株価はこれを大きく下回る水準です。

PERは約11倍、キャッシュフローなどにも問題はありません。

 

先にも書いたように、コメリは今後、少子高齢化の問題を強く受けることになります。

そうしたなかでもEPSの成長を示していくためには、継続的な自社株買いなどが必要になっていくはず。

株主還元への姿勢が、同社への評価の軸になるのではないか、と個人的には見ています。

以上です。

 

なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをおすすめするものではありません。

投資にあたっては自己責任でおこなっていただきますようお願いいたします。