【MMM】スリーエム(3M)の決算・業績と株価~中国経済失速で業績悪化、大規模リストラ敢行へ

【MMM】スリーエム(3M)の決算・業績と株価~中国経済失速で業績悪化、大規模リストラ敢行へ

今回はスリーエム(3M)についてみていきます。

スリーエム(3M)は世界的な産業資材、事務用品メーカーで、米国を代表する企業のひとつでもあります。

その規模はあまりにも広すぎるため、全てを紹介しつくすことができませんが、とりあえず、皆さんの身の回りにもほぼ間違いなくスリーエム(3M)の製品は存在する・・・そんな企業です。

とりあえず、そんなスリーエム(3M)の事業内容からみていきましょう。




 

 

 

スリーエム(3M)の事業内容

スリーエム(3M)の事業内容はありとあらゆる産業資材の製造・販売となっています。

その範囲は非常に広く、医療用素材、交通標識、接着剤、文房具、電線の被覆素材、掃除用具、家庭用のスポンジなどなど、とてもとても書ききれるものではありません。

とりあえず、多くの人が知っているものとしては、スコッチのスポンジとかセロテープ、ポストイットなどが有名でしょうか。

スリーエム(3M)の強みとしては、こうした製品の開発力が非常に強いことに加え、その生産効率を高めることにも注力。

長年にわたり非常に高い生産性を誇っており、経営学の教科書でよく取り上げられる企業ともなっているということです。

しかしそんなスリーエム(3M)もここ最近は業績に翳りがみえています。

 

 

スリーエム(3M)の業績推移

スリーエム(3M)の業績をみてみると、ここ数年はトップラインがほとんど伸びなくなっています。

一方で、コスト削減と自社株買いでEPSを引き上げ、株主に還元する姿勢を明確にしています。

このあたりがスリーエム(3M)のいいところです。

つまり、業績の拡大が見込めないなら、ちゃんと株主に返して投資家による投資効率を確保しようという姿勢が一貫しています。

 

 

スリーエム(3M)の2019年Q1決算・業績

スリーエム(3M)の2019年Q1業績は酷いものでした。

とくに中国を起点にした経済低迷が深刻でアジア地域で大きく売り上げを落とし、原油価格上昇でマージンが悪化

 

 

セグメント全体がネガティブな業績になっていますが、特に工業系資材の悪化が響いています。

 

以上のようにスリーエム(3M)の業績は落ち込みました。

これを受け同社は、2000人規模のリストラを行うとのことです。

 

 

 

 

スリーエム(3M)の株価

この決算発表を受けてスリーエム(3M)の株価は大きく下落

1日の下落率としてはブラックマンデー以来とのことです。

といっても10%ちょっとしか下落していないのですが、スリーエム(3M)はそれだけ長いこと暴落とは無縁の企業だったということでしょう。

 

さすがにそれだけ長い期間起きてこなかった暴落が起きた、というのは非常に嫌な雰囲気となっています。

スリーエム(3M)の経営への信頼感が落ちているのかどうかはわかりませんが、潮目の変化の可能性も嗅ぎ取った方がいいかもしれません。

 

PERは20倍ちょっと程度、EV/EBITDAは14倍程度でしょうか。

ヒストリカルにみれば、ここ数年のフェアバリューと思われますが、個人的にはやや慎重に見たいところだと思います。

 

なお、上記はあくまでも個人的見解です。

特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。

投資にあたっては自己責任で行っていただきますようお願いいたします。