【BYND】ビヨンドミート(Beyond Meat)の業績・決算と株価
今回はビヨンドミート(Beyond Meat)についてみていきます。
ビヨンドミート(Beyond Meat)はビーガン(菜食主義者)向けに代替肉を製造している企業です。
マイクロソフトのビル・ゲイツや、俳優のレオナルド・ディカプリオも投資をしているとされるビヨンドミート(Beyond Meat)
とりあえず、まずはビヨンドミート(Beyond Meat)の事業内容から見ていきましょう。
ビヨンドミート(Beyond Meat)の事業内容
ビヨンドミート(Beyond Meat)はいわゆる代替肉を製造している企業です。
アメリカでは宗教的な理由、環境的な意識の高まり、動物愛護的観点から肉を一切口にしない、ビーガン(菜食主義者)の人達が増えています。
こうした人々であっても、肉のような味のものは食べたい・・・そうした需要を満たすための代替肉を製造するのがビヨンドミート(Beyond Meat)です。
ビヨンドミート(Beyond Meat)のターゲット層
ビヨンドミート(Beyond Meat)がターゲットにしているのは主に以下の方達だそうです。
- 宗教的な禁忌で肉を食べられない人
- 動物愛護の観点から肉を食べない人
- 環境意識の観点から肉を食べない人
- 健康意識で肉を食べない人
1は例えば牛を神聖視するヒンズーなど
2は単純に動物殺すの可哀そうみたいに言ってる人たち
3は牛のゲップにメタンが多くて温暖化促進するからダメとか、配合飼料を食肉生産に使うのは蛋白源の無駄遣いとか、糞尿による水質汚染ダメとか言ってる人達
4はコレステロール値を気にする人達
個人的には3と4の意見はわかるんですが、1と2の人達の需要があるというのは良くわからない・・・
つまりイルカとかクジラを神聖視したり、かわいがってる人たちでも実は肉は食べたい・・・みたいなことですよね。
そんなことってあるんですかね?
ビヨンドミート(Beyond Meat)の栄養価、原材料
ビヨンドミート(Beyond Meat)の原材料は以下のようになっています。
Water, Pea Protein Isolate, Expeller-Pressed Canola Oil, Refined Coconut Oil, Contains 2% or less of the following: Cellulose from Bamboo, Methylcellulose, Potato Starch, Natural Flavor, Maltodextrin, Yeast Extract, Salt, Sunflower Oil, Vegetable Glycerin, Dried Yeast, Gum Arabic, Citrus Extract (to protect quality), Ascorbic Acid (to maintain color), Beet Juice Extract (for color), Acetic Acid, Succinic Acid, Modified Food Starch, Annatto (for color).
All ingredients from Non-GMO sources
水、えんどう豆分離たんぱく、キャノーラ油、ココナッツオイルが中心のようです。
2%以下の添加物として、竹セルロース、メチルセルロース、ジャガイモでんぷん、天然香料、マルトデキストリン、酵母エキス、塩、ヒマワリ油、植物性グリセリン、乾燥酵母、アラビアガム、柑橘抽出成分、アスコルビン酸、ビート抽出液、酢酸、コハク酸、コーンスターチ、アナトー
ちなみにすべて遺伝子非組み換え大豆使用だそうです。
なお、ビヨンドミート(Beyond Meat)の栄養素は以下のようになっています。(ホームページより)
1パティあたり113g
- カロリー 270Kcal
- 飽和脂肪酸 5g
- コレステロール 0mg
- ナトリウム 380mg
- 炭水化物 5g
- 不溶性食物繊維 3g
- 糖 0g
- タンパク質 20g
あえてなのかわかりませんが、脂質は表示がありません。
どう考えても、上をみるだけではグラム数からして不自然だと感じるはずです。
アメリカ人は気にしないんでしょうか。
とりま、健康を気にしてビヨンドミート(Beyond Meat)にする人もいるようですが、糖とコレステロールを気にする人以外にはあまり健康的なメリットもなさそうに感じます。
ビヨンドミート(Beyond Meat)で食糧問題を解決?
ビヨンドミート(Beyond Meat)を好む人のなかには、食糧問題を理由にする人たちもいます。
世界の人口は今後もどんどん増えていきますし、肉類の消費も増えていく。
2060~2070年にかけて肉類消費は80~100%増える可能性があると言われています。
そうしたときに、地球規模で食糧問題を考えるとどうしても植物性蛋白質や昆虫などの利用をせざるをえないことになります。
牛肉1キロカロリーを生産するためには10キロカロリーの飼料が必要と言われています。
つまり、牛肉を食べるのをやめてビヨンドミート(Beyond Meat)のような植物性蛋白質で摂取すれば、それだけ環境保護・食糧問題克服に役立つという主張です。
ビヨンドミート(Beyond Meat)の味
ちなみに肝心のビヨンドミート(Beyond Meat)の味についてですが、こればかりは残念ながら自分はわかりません。
まだ日本国内にビヨンドミート(Beyond Meat)を販売する店がありませんので、試してみることができません。
一応、三井物産がビヨンドミート(Beyond Meat)に若干出資しており、日本国内での事業展開にあたっては優先交渉権があるようなので、とりあえずいつかは販売されることになるのかもしれませんが、いまのところは国内店舗はないんです。
とりま海外のtwitterの情報などをみると、ポジティブな評価が多いように思います。
代替肉だと言われなければわからない、みたいな感じでしょうか。
まぁ、アメリカ人の味覚を信じられるのか、という問題はありますが・・・
ビヨンドミート(Beyond Meat)の業績
https://twitter.com/chu_sotu/status/1124716497920610304
こちらはビヨンドミート(Beyond Meat)のIPO資料
非常に高い売上の伸びを示しており、前年比倍以上のペースとなっています。
2017年までは粗利すら出ない状態でしたが、現在では粗利は出る。
ただし、オペレーションにコストがかかっている状態です。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1124716408057655297
上記は四半期ごとの推移。
非常に好調に事業が推移しているのがわかります。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1124716545223979008
販売チャネルとしては、冷凍ではなくフレッシュでの流通がメインのようです。
これだけフレッシュは増えているのに、冷凍は前年から減っています。
たぶん、冷凍にすると味が悪くなるんでしょうね。
本来ならば冷凍肉で海外にも売りたいところですが、品質の維持管理ができないのでしょう。
冷凍が使えないとなると、米国内の流通に関してもいろいろと不都合が出てきそうです。
海外展開もできない、国内展開も隅々まではできない。
あくまでも消費地の近くで作らなければならないのが現状というところではないでしょうか。
なお、消費形態としてはレストラン需要、スーパーマーケット需要どちらも伸びていますが、ややレストラン需要の伸びの方が大きい模様。
ビヨンドミート(Beyond Meat)の株価
同社は2019年5月2日にIPO(新規株式公開)しましたが、上場してすぐに株価はIPO価格の2.5倍超に上昇するなど、非常に過熱した展開となりました。
とりあえず、この株価は同社の事業規模からしたら果てしなく高いです。
バリュエーション評価など無駄なレベル。
あくまでも、どこか大手の企業が買収してくれるのではないか、と期待した株価だと思います。
被買収要因を含んだ株価のようにみえます。
個人的には食指は動きませんが・・・
いちばんのリスクは、ビヨンドミート(Beyond Meat)よりもおいしい代替肉が開発されることだと思われます。
現在、筋繊維を再現するような代替肉の開発も他社で進んでいると言われています。
そういった製品が出てきてもすぐに同社の業績が悪化するということはないでしょうが、
ビヨンドミート(Beyond Meat)の被買収企業としての魅力は薄れると思われます。
なお、上記はあくまでも個人的見解です。
特定の投資スタンスをおすすめするものではありません。
投資にあたっては自己責任で行っていただきますようお願いいたします。
以上です。