テリーザ・メイ首相 6月7日に辞任へ~議会制民主主義の根底を壊そうとした愚かな政治家~

テリーザ・メイ首相 6月7日に辞任へ~議会制民主主義の根底を壊そうとした愚かな政治家~

 

テリーザ・メイ首相が辞任へ

6月7日に与党保守党の党首を辞任

その後、新首相を選ぶための党首選が行われ、その後に引き継ぎへ。

テリーザ・メイは引退の会見で、涙ながらに「最善を尽くした」と言っていたが

どう考えてもこの人物がやったことは、議会制民主主義の破壊行為だったと自分は思う。

 

 

テリーザ・メイはそもそもEU離脱反対派だった。

テリーザ・メイはもともとEU離脱反対派だった。

国民投票をやったのだって、国民投票すればEU離脱反対が圧倒的に上回ると見込んでのもの。

で、実際にやってみたらEU離脱派が勝ってしまった。

 

ここがすべてのケチのつきはじめだ。

 

テリーザ・メイ首相は、国民の声が理解できていなかった。

国民の声というのは、つまるところエスタブリッシュメント(上級国民)へのムカツキだろう。

 

リーマンショック、欧州金融危機などで金融機関は多くが破綻の危機に陥った。

しかしそのたびに、政府は経済対策として超法規的に公的資金投入や迂回的な補助を行って金融機関を助けてきた。

それで助けてもらったのは資本家、上級国民たち。

つまり、庶民のカネで上級国民たちを助けた。

にもかかわらず、その後の世界的な好景気では庶民、中間層が没落し、上級国民が空前の羽振りの良さをみせている・・・

 

・・・そのことに怒っている国民は多い。

なんなら上級国民の足を引っ張ってやれ、というメンタリティもある。

そこらへんの数をテリーザ・メイ首相は見誤った。

 

 

テリーザ・メイ首相はもちろん上級国民だからEUに属するメリットをよく理解している。

イギリスが、EU離脱して受けるダメージが大きいのはわかってる。

EU離脱は国民投票で決まっちゃったけど、できることなら避けたい・・・それがテリーザ・メイ首相の偽らざる本音だろう。

それは、みんなわかっていた。

だから怒っている。

 

テリーザ・メイ首相は、あれこれゴチャゴチャやって、EU離脱を先延ばししてきた。

アイルランド問題でブレグジットができないなんてのは口実にすぎない。

それはずっと前からわかっていたことだから。

 

 

テリーザ・メイ首相、再国民投票の実施でThe End

テリーザ・メイ首相は最後の最後にクソッタレなことを言い出した。

英国の議会制民主主義の根底を揺るがすようなことを言い出した。

 

「再国民投票」だ。

 

これが引退への引き金。

これはもう、イデオロギーの問題になる。

英国議員にとって、一番の誇りは

「英国が議会制民主主義発祥国」

という事実だろう。

それを根っこから引き抜こうとするテリーザ・メイ首相は、最終的に議員の支持も失った。

 

再国民投票に対しては、EU離脱派、EU離脱反対派のどちらもが非難の声を上げた。

1922年委員会のブレイディ委員長から辞任をつきつけられるのが確実になったと言われている。

 

テリーザ・メイ首相は、まったく愚かな人物だったと思う。

国民の声もわからない。

議員の心もわからない。

このような人物が3年もの長きにわたり首相を務めたことは英国の恥であり、損失だったと思う。

 

後任は誰になるのか。

ボリス・ジョンソンが筆頭にあげられているが、個人的にコイツも糞だと思っている。

空港問題でもなんでもそうだが、都合が悪くなると外遊したりしていなくなる。

 

とりあえず、今回の問題でわかったことは、EU離脱は大前提で進めるしかないという現実だと思う。

EU離脱を先延ばしすればするほど、国内問題が深まるというのが現実。

 

ハードブレグジットの確率は、かつてないほど高まっているようにみえる。

 

以上。