競売会社サザビーズ、富豪のパトリック・ドライ氏に身売りで非上場化へ
パトリック・ドライ氏がサザビーズ買収し非上場化へ
欧州通信大手のアルティス・ヨーロッパを率いるパトリック・ドライ氏が、競売大手のサザビーズを買収するとのこと。
買収金額は37億ドル
プレミアムが61%ついた株価での買収とのことです。
世界最古の現存する競売会社サザビーズ
1744年に創業したサザビーズは世界で4番目に古い競売会社であり、現存する競売会社としては最古と言われています。
サザビーズはこの業界のトップブランドであり、同業のクリスティーズとともに高級・古美術、アンティークの分野で絶大な知名度を誇ってきました。
これまでいくつもの「過去最高額」がサザビーズから生まれており、
歴史的な名画、名品の類であれば、ほぼサザビーズが一手に引き受ける・・・
そんな風潮になっています。
サザビーズは市場の圧力を嫌って非上場化?
サザビーズは1988年に上場して以来、公開企業として運営されてきましたが、必ずしも業績が順風満帆だったわけではありません。
この手のブランド企業にありがちなことですが、経営陣も奢侈好きです。
そのあたりをサードポイントのダニエル・ローブ氏につつかれ、取締役の派遣をめぐりポイズンピルによる争いに発展したこともあります。
また、中国系企業による株式大量取得などの動きもありました。
こうした動きを避けるようにして、今回、サザビーズは非上場化されることになります。
非上場化されるサザビーズ、独特の商習慣は変化するか?
サザビーズといえば、その独特の商習慣でも知られています。
たとえば、出品は基本的に完全匿名。
出品者が盗品をオークションに出したとしても、出品者のプロフィールを行政に開示したりしないといわれています。
もちろん、サザビーズは出品時に盗品データベースをあたり、該当するものは弾いているそうですが、
基本的に欧米の美術品主体で構成された盗品データベースには、日本やアジアなどの古美術、工芸品、また遺跡から発掘されたものなどは登録されておらず
そういった発掘物などで、のちに問題になった例が幾度も報じられています。
https://www.nytimes.com/2012/04/05/arts/design/ancient-cambodian-statue-is-seized-from-sothebys.html
サザビーズは公開企業としてこういった行為を慎む方向に向かっていましたが、今回の非公開化でその歩みがどう変化するか、しないか。
そのあたりには注意が必要だと思います。
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