イタリア「ミニBOT」は実質的な独自通貨か

イタリア「ミニBOT」は実質的な独自通貨か

 

イタリア政府が期限無制限の少額債券「ミニBOT」を検討

イタリア政府は政府調達先への支払いが遅延しがちになっている問題に絡み、

当座の支払いを「ミニBOT」で済ませる案を検討しているとのことです。

 

この「ミニBOT」、期限無制限で無利子、少額額面での発行を検討しているとのことです。

 

 

「ミニBOT」は償還無期限、しかも少額額面、無利子・・・つまり貨幣の代替になる?

「ミニBOT」は償還期限が無制限とのことです。

つまり、政府は発行した債券の元本をずっと返還しないということ。

利払いもありません。

そして、きわめて少額の額面で発行されるということです。

 

・・・これでは貨幣とほぼ同じです。

唯一違う点としては、「ミニBOT」はイタリアの行政が発行を管理し、

通貨ユーロはECBが管理しているという点。

 

つまり、「ミニBOT」はいわゆる軍票や南発券みたいな感じでしょう。

リンカーンが導入した政府紙幣とも似ています。

いずれ流通市場でも利用可能となる可能性が高く、交換レートなども決まってくる可能性が高い。

市場の一部では

「イタリアが独自通貨を導入することに等しい」

「ユーロの存在意義が脅かされかねない」

との声が上がっていますが、その見方は正しいと思います。

 

 

「ミニBOT」をめぐる閣内不協和音にも注意

また今回の「ミニBOT」は、閣内にも対立の芽を生みかねない事態となっています。

トリア経済相はこういった構想を馬鹿げている、といったように扱っており、政権内でやや孤立気味のようにみえます。

EU、ユーロへ近い同氏が政権を離れた場合、本格的に「ミニBOT」構想が動き始める可能性があり、その点については注目でしょう。

 

 

リフレ派が喜びそうな「ミニBOT」

日本でもいつかそういうものに頼る日がくるかもしれませんね。