パレスチナ支援会議にパレスチナ出席せず~米国の500億ドル資金拠出案は宙に浮く
アメリカ主導のパレスチナ支援会議にパレスチナは代表出席せず
中東のバーレーンで2日間にわたり開催されていたパレスチナ支援会議が26日に閉幕。
このパレスチナ支援会議、当のパレスチナが方針に反対して出席を見送るという異例の状況の中で行われました。
パレスチナ支援会議を主導したのはアメリカ、その後ろにイスラエル
今回のパレスチナ支援会議ですが、会議を主導したのはアメリカでした。
会議の主題はパレスチナに対する500億ドルの資金支援でしたが、アメリカの呼びかけにアラブ諸国は応じず。
さらにはパレスチナも代表者を送らず、受け取りも拒否するなど、まさにアメリカの独りよがりを印象づける会議となってしまいました。
パレスチナ支援会議はパレスチナ支援ではなく、イスラエルの占領を正当化するための会議
パレスチナ支援会議は明らかに失敗だったと言えるでしょう。
この背景には、このパレスチナ支援策というのが、支援策とは名ばかりで、イスラエルの占領政策を正当化するための解決金的な意味合いがあることが挙げられます。
今回のパレスチナ支援ですが、「イスラエルとパレスチナの政治的な解決が実現」していることが前提条件として挙げられています。
この政治的な解決というのがミソで、具体的な中身はハッキリとは明かされていませんが、これまでの経緯からみると、たぶん以下の要素を要求しているのだと思われます。
- パレスチナはイスラエルの事実上の占領政策を認めろ
- ゴラン高原や東エルサレム、ガザ地区などをユダヤに譲渡せよ
- エルサレムの地もイスラエルの首都と認めろ
「これらの対価として5兆円やるよ。おまえら苦しいだろうし、この5兆円で満足するよな?」
つまりは、そういうことでしょう。
トランプの娘婿クシュナーはこれらの費用負担を中東各国に要求してきました。
「アラブの平和を守っているのはアメリカだ。邪悪なイランの脅威に対抗してやっているのはアメリカだ。アメリカのおかげで安定しているんだから、ちょっとは負担しろ」
そんな感じのことを言っているんじゃないかと、個人的には妄想しています。
というか、そもそもイランとの問題だって、元はといえば、イランの油田に目がくらんだアメリカが悪かったわけです。
民主的で高邁な思想を推し進めたモサデク政権をクーデターで倒してパフラヴィーを担いで独裁君主制に移行させたのはアメリカやイギリスです。
そういったことがすべての始まりだったんですが、そんなことはもう忘れてしまったのでしょう。
なんだかもう、何が悪魔なのか誰が見ても明らかな気がするんですが・・・
とりあえず、悪いのはイランで、パレスチナがカナンの地から出ていかないのもパレスチナ人のせいのようです。
中国は、いずれきっと、この反感を利用することになるはずです。
以上。