百度(バイドゥ)の自動運転バス『アポロン(Apolong)』は金龍客車で量産~日本でも公道試験走行実施~
百度(バイドゥ)の推し進めるアポロ計画と自動運転バス『アポロン(Apolong)』
中国の検索大手・百度(バイドゥ)は、AIによる自律型運転システム「アポロ計画」を推し進めています。
このアポロ計画には日本からもホンダやトヨタなどが参加していますが、まずは初の量産モデルとして、自動運転バスが実用化されることになりました。
その自動運転バスの名前が、アポロン(Apolong)となります。
日本でも自動運転バス「アポロン(Apolong)」の公道試験を実施へ
百度(バイドゥ)が推進するAIによる自動運転バス・・・名前を「アポロン(Apolong)」と言いますが、
すでに中国では公道試験も行われており、実際に乗ることができるとのことです。
そしてこのたび、日本でもいよいよソフトバンクの子会社SBドライブがこのアポロン(Apolong)の日本での公道試験実施を決定
2019年7月3日から5日のあいだ、東京都港区汐留のイタリア街にて、一般車両とともに公道を走らせる実証実験を行うとのことです。
もちろん、国内での自動運転バスの公道試験はこれは初とのことです。
なお、今回利用するバスは中国国内向けと異なり、フランスのナビヤ社製の「ナビヤ アルマ」というバス。
自動運転向けにハンドルなどをなくしたバスとのことで、GPSとレーザースキャナー、SBドライブが開発したディスパッチャーによる制御で走らせるとのことです。
バスの定員は11人とのこと。
中国の自動運転バス「アポロン(Apolong)」は金龍客車が製造
なお、中国国内向けの自動運転バス「アポロン(Apolong)」は、金龍客車(厦門金龍聯合汽車工業)が開発・製造するレベル4の技術のバスとなっているとのことです。
乗員数も14人とナビヤ・アルマのものよりもやや広め。
Intel傘下のモービルアイの「Responsibility Sensitive Safety(RSS)」と「Surround View Camera Kit」を搭載
百度(バイドゥ)が開発した「アポロ3.0」システムも搭載するとのことです。
中国では習近平国家主席の肝いりプロジェクトとして雄安新区の開発が行われています。
まさにこの雄安新区は百度(バイドゥ)などの自動運転を前提にした街づくりをされているとのこと。
百度(バイドゥ)は次世代AIの重要プロジェクトとして政府の認可も受けており、
雄安新区ではこの「アポロン(Apolong)」が大量に走行することが予想されています。
百度(バイドゥ)の自動運転バス「アポロン(Apolong)」に米中貿易戦争の影響
これは以下の記事でも書いたことですが、
百度(バイドゥ)の進める「アポロ計画」~中国における自動運転車開発計画は米中貿易戦争を生き延びられるか~
現在、アメリカと中国の間で起きている米中貿易戦争は、百度(バイドゥ)の自動運転開発にも少なからず影響を与えることになりそうです。
百度(バイドゥ)は自律型運転システム開発計画「アポロ計画」を立ち上げる際に、
その一番重要なコンセプトとして、オープンプラットフォーム戦略を採用しました。
オープンプラットフォーム戦略というのは単純に言ってしまえば、技術の囲い込みをやめて、他社に技術を売ったり、他社から技術を導入したり、部品なども内製化を目指さず他の有力な企業から集めればいい、という戦略です。
身の回りの製品でいえば、パソコンがまさにそのオープンプラットフォーム戦略の賜物といえます。
ただこの、餅は餅屋に任せるというオープンプラットフォーム戦略が、トランプ政権の気まぐれによって大きくリスクにさらされています。
いつなんどきファーウェイのように制裁を受けるかもしれず、リスクをとった経営をしにくい環境に多くの中国企業がおかれています。
そしてそれは、自動運転開発でオープンプラットフォーム戦略をとってきた百度(バイドゥ)のような企業にとっては深刻です。
一部の企業は、高コストである自社開発に舵を切り始めています。
そうしたことは、将来的にも「アポロン(Apolong)」に影響してくるかもしれません。
以上。