供給契約を負うのは基本的に日本企業のはず~韓国ホワイトリスト除外問題を考える
韓国ホワイトリスト除外で日本企業が苦しむ可能性は・・・
日本政府による韓国企業のホワイトリスト除外問題・・・
日本の多くの人々が、日本政府の方針に賛同しているそうです。
世論調査によれば過半数の人が、韓国のホワイトリスト除外は当然だと言っているとか。
いやはや、みなさん韓国嫌いで血が頭にのぼっているようです。
冷静な分析ができているように感じません。
人々の頭の中から非常に重要なポイントが抜け落ちているように感じられてしかたありません。
それは、
「そもそも供給契約は誰が負っているのか?」
という点です。
ホワイトリスト除外を理由に不可抗力を宣言できる?
基本的に、取引契約を結んだ場合、供給者は需要側への供給責任を負うことになります。
今回の件で言えば、レジストやエッチングガスの供給を続ける義務が、日本企業側に発生しています。
もし期限内にちゃんと供給できないなら、その理由を顧客に説明し、損失発生分の負担などを相談していくことになります。
事前に契約内容を取り交わしてあり、そのなかに日本政府による韓国ホワイトリスト除外が想定される文言が含まれていれば、日本企業側の責任は免れるでしょう。
しかしそうでなければ、日本企業側にほぼ全額の負担がかかってくる可能性が高いです。
韓国企業は間違いなく韓国国内で訴訟を起こすでしょう。
日本企業側に大きな負担がかかる可能性があります。
韓国ホワイトリスト除外問題と中国ファーウェイ・エンティティリスト入り問題は似ているが・・・
今回の韓国ホワイトリスト除外問題は、トランプ大統領が推し進める中国の通信企業ファーウェイへのエンティティリスト入り問題と似ています。
あちらの問題も、アメリカ企業によるファーウェイへの部品供給が制限されていますが、本来であればファーウェイは損賠訴訟を起こすことが可能です。
しかし、ファーウェイはそこまでしようとしていません。
ひとつには、ファーウェイが非上場であり、株主利益をそこまで守る必要がないことが挙げられます。
しかし、韓国のハイニックスやサムスン電子は違います。
上場企業であり、企業統治上、訴訟を起こせるのに起こさないなら株主への背信・背任行為です。
株主の多くは外国人株主ですから、訴訟を起こすように急かす可能性があります。
日本政府は日本企業を守るためにホワイトリスト除外問題を穏便に済ませるはず
というわけで、日本政府はホワイトリスト除外問題を拗らせることはしないと思っています。
すでにレジストは許可が出たそうですが、他の製品もさほど問題になるようなことはないでしょう。
韓国KOSPIは日本の制裁を嫌気してだいぶ下げていますが、気にし過ぎだと思います。
そもそも日本政府の行動は単なる選挙前のパフォーマンスだったと思います。
⇒韓国へのフッ素製品(フッ化水素・フッ化ポリイミド)の輸出制限は単なる選挙対策だと思います
たぶん、経済的に大事になる前に終わる問題だと思います。
以上。