ボールネジなど直動部品世界2位台湾ハイウィン(HIWIN/上銀科技)、日本に100億円投資し一貫生産工場建設
ボールネジで世界2位の台湾メーカー、100億円投資し日本に工場の狙い
ボールねじ(直線運動と回転運動を相互変換する機械要素部品)の世界的大手ハイウィン(HIWIN/上銀科技)が日本に一貫生産工場を建設します。
工作機械の位置決めで使われる直動機器においては日本のTHKが世界シェア50%でトップを走っていますが、それを追いかけるのがハイウィン(HIWIN/上銀科技)です。
ハイウィンはボールねじやレールをはじめ、リニアガイド、アクチュエータ、計測システムやコントローラまですべて自前で揃えます。すでに日本には営業拠点を置き、ロータリーテーブルなどでは数年前から採用も増えてきていますが、本格的に同社のアクチュエータなどを導入したという話はまだ聞こえてきません。日本に工場を作るということはどこかへの納入が増えているのでしょうが・・・どこでしょうか。一応シーメンスと提携しているくらいですから、それなりの技術力はあるはず。なんとなく、欧州系を傘下に持つあそこかなぁ?という気がしてますが、根拠がないので何ともいえません。
独シーメンスと提携した台湾の新興メーカー、ハイウィンは日本で認められるか
まだまだTHKの牙城は崩れないでしょうが、着実に追いかけてきている状況です。資本財は日本の最後に残された産業です。ここで優位性を保てなければ、日本の製造業は本格的に終わると思います。
というわけで、これでコラムが終わってもなんなので、台湾市場に上場しているハイウィン(HIWIN/上銀科技)の連結業績などもチャラっとみてみましょう。
ハイウィン(HIWIN/上銀科技)の2017年度売上高は対前年比で31%増、営業利益は130%増、営業利益率は15.8%、EPSは106%増の9.75
いやー、すごいですね。世界的に設備投資が活況だったということもありますが、それにしてもすごい伸びです。ただ営業利益率は低いですね。成長率重視で設備投資しまくってるんでしかたないですが。
ハイウィン(HIWIN/上銀科技)の株価(TPE:2049)はかなり荒っぽい動きになってきています。
この会社は月次開示していますので、それを手掛かりに動いています。直近の数字は以下です。
十分に高い伸び率だと思うのですが(2017年が31%の伸びですし)、この程度は織り込み済みということでしょうか?
ハイウィン(HIWIN/上銀科技)のバリュエーションをみてみると、トムソンロイターの集計によるアナリストベースでみると2019年通期PER 19.5、EV/EBITDA 13.3
まぁ、シクリカルセクターにバリュエーション比較は無意味ではあるのですが、一応ね。
ちなみに、ハイウィン(HIWIN/上銀科技)はフォーブスの革新企業37位にランクインしたことがある企業なんですが、日本ではまだまだ知名度が低く、採用はあまり増えていないです。
米フォーブス誌2015年世界で最も革新的な成長企業100社、HIWINが37位にランクイン
THKに投資をしている人には、こういう企業もあるよってことで、一応なにかの参考になれば幸いです。
以上、コラムおわります。