キャベンディッシュ種のバナナが新パナマ病で全滅?

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以下は単なるコラムです。

読んでもカネに直結するわけではありません。

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フィリピンで新パナマ病が流行、キャベンディッシュ種バナナが絶滅の危機?

 

10年前くらいにも騒がれた新パナマ病によるバナナ被害ですが、また流行しているのでしょうか。先日もNewsweekが特集していました。

曰く、「パナマ病が発生してキャベンディッシュ種のバナナがなくなったら安いバナナ食べられなくなる!」

みたいな、恐怖感を煽るだけのありがちな記事なんですが。

しかもキャベンディッシュが三倍体なことを忘れてるのか、他の種と交配させれば何とかなるみたいな変な記事・・・できたとしても味がかわらないか?種だらけにならんの?

ただ、そこに書かれていた一節がちょっと気になりました。

 

 

>すでに新パナマ病の感染は、アジア・アフリカ・中東・オーストラリア・中米に広がっており、化学防除が感染防止に効果がないこともわかっている。

 

 

もしこれが本当なら、日本人だけの問題じゃありません。

バナナの生産量激減によって世界的な食糧問題が引き起こされてしまいます。

 

 

とりあえず、バナナに限らず食糧問題に関してはFAOのサイト(非常によく纏まっています。おすすめ)を開きましょう。

軽く纏めますと・・・

  • 世界では現在1000品種以上のバナナが生産
  • バナナ生産の47%を占めているのがキャベンディッシュ種
  • 年間500億トンのキャベンディッシュバナナが世界中で生産(そのほとんどが小規模農家による栽培、自家消費、地元消費用)

 

  • グローバルなバナナ産業は2016年時点でおよそ年間80億ドル規模
  • 商業・産業としてのバナナ生産量は2000年から2015年までに年率3.7%で成長、2000年の6820億トンから2015年時点の生産量1億1790万トンまで急増
  • 最大生産国はインドで年間生産量2900万トン、二位は中国1100万トン(両国とも主に国内向け)、フィリピンが900万トン規模、エクアドルとブラジルが700万トン規模
  • バナナの最大輸出国はエクアドル。世界全体のバナナ輸出の1/3を占めている。次にフィリピン14%、コスタリカ12%、グアテマラ11%、コロンビア11%
  • バナナの最大輸入国はEUで世界全体の29%、ついで米国27%、ロシア8%、日本6%、中国5%
  • 日本のバナナ消費は一人当たり7.4キロ(2009年)
  • ウガンダ、ルワンダ、カメルーンなど多くのアフリカ諸国では1人あたりのバナナ消費量が200キログラム以上。これらアフリカ諸国では、バナナは毎日のカロリー摂取量の25%を占めるとのこと。

 

  • バナナ産業の生産面積は1993年に360万ヘクタール、2000年に460万ヘクタール、2015年が550万ヘクタール
  • キャベンディッシュ種の平均収量は1ヘクタールあたり40~50トン。効率的な経営を行っている圃場であれば約60トン。小規模生産農家であれば30トン程度
  • Saba種やLakatan種などは1ヘクタール当たりの平均収量がわずか11~13トン(フィリピン統計局)
  • エクアドルにおけるバナナ生産コストは、人件費38%、農薬その他が40%、輸送7%、材料費一般サービス、機器類その他が15%
  • バナナ貿易から生じる輸出収入は、コスタリカの食糧輸入額の40%、グアテマラの27%を占めたとのこと(2014年)
  • バナナ生産国10か国で実施された調査によると、小規模農家の毎月の家計収入のうちバナナ栽培による収入が75%を占めるとの結果。
  • グローバルバナナ産業大手5社は、チキータ(スイス・ジュネーブ)、フレッシュデルモンテ、ドール、Fyffes(アイルランド)、Noboa
  • ほかに、大手スーパーマーケットチェーンが独自ルートで購買したりしている。

 

 

 

だいじなところを抜き出すと

キャベンディッシュ種は非常に収量が高い(アクミナータ同質3倍体)。
キャベンディッシュ種と同様にAAAのゲノム構成を持つグロスミッチェル種がパナマ病(つる割れ病/フザリウム菌病)で生産量激減した今、バナナ生産の47%がキャベンディッシュ種になっている
ウガンダ、ルワンダ、カメルーンなどのアフリカ諸国では、一日のカロリー摂取の25%がバナナ由来

 

つまり、、、

 

新パナマ病が流行してキャベンディッシュ種の生産が落ちると、それは食糧問題に直結する

 

ということです。

これは非常に恐ろしいことです。

「日本人がバナナを食べられなくなる?」

別にそんなのどうだっていいでしょう。他の物を食べればいいんです。

そもそも日本人が好んで食べているバナナは高地栽培(ハイランドバナナ)以上ですから、パナマ病の影響はほとんど受けないはずです。もしハイランド以上のバナナがパナマ病に侵されるような状況になるのなら、ローランドのバナナは総じて全滅でしょう。それこそ大変です。

現地の人たちはカロリー摂取の手段を大きく削られることになります。

 

 

今までは、新パナマ病はエクアドルとフィリピンだけの問題と言われていたんです。

フィリピンとエクアドル両国は苗木の輸出入をしているらしく、どうしても感染が広がりやすいのだそうです。

他の国には伝播していないから、他の国で栽培すればいいじゃない?という感じで商社は動いていたと思います。

 

しかし、もし記事にあるように、他の国々、とくにアフリカにまで感染被害が広がっているのだとしたら本当に悲惨です。

商社がバナナ調達に困るとか、日本の食卓からバナナが消えるとか、そういうレベルの話じゃありません。

バナナを起点にした新興国の食糧危機やインフレの発生もありうるんじゃないか

とりあえず、まっとうな経済メディアを自称するなら、そういった視点から記事を書いて欲しいです。自分たちの食欲だけを基準に記事を書くとか、ひどいと思います。

 

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あとがき

一応、まだこの記事の正確性を測りかねています。本当に感染が広がっているのかどうか。広がっているとしたらどの程度なのか。ことによっては、経済や政治などにも影響してきます。そういったことを考えておくのは必要だと思っています。何事でもそうですが、すべての起きうる可能性に先手を持って予想して準備しておく態度は必要だと思います。以上です。