【統計】世界各国の一次エネルギー消費比率をみてみよう【グラフ】
世界各国の一次エネルギー消費比率をみてみよう。
※一次エネルギーとは、人間の手によって変換される前の、自然から取り出したままのエネルギーのことです。
たとえば、天然ガスを使って発電したのなら、天然ガスが一次エネルギー、発電された電力は二次エネルギーと言います。
この一次エネルギーの比率は、各国ごとのエネルギー政策によって特徴的な比率を示しています。
中学高校の地理でやった記憶はあるでしょうが、とりあえず最新のデータを利用してもう一度みてみましょう。
(なお、以下はBPの公開しているデータを利用しています。2017年最新版です。)
世界の一次エネルギー消費比率
日本の一次エネルギー消費比率
現在の日本のエネルギー政策は、福島第一原発メルトダウン後の問題から、なかなか原発再稼働ができず、化石燃料に頼る比率が非常に高くなっています。
このような状況下で日本国政府は、再生可能エネルギーの推進に向け積極的な態度をみせていますが、一方でいまだに原発をベース電源として推す勢力も存在しており、派閥争いで混とんとした状況になっています。
中国の一次エネルギー消費比率
中国は一次エネルギー源を石炭に依存した構造になっています。
中国の火力発電のほとんどはいまだに石炭です。
環境保護の観点から水力や再生可能エネルギーを積極的に開発してきてはいますが、水力は浚渫不足と水不足で発電量が安定せず、風力や太陽光など再生可能エネルギーも急激に伸びてはいますが、系統接続の問題が大きく、いまだに3.4%の比率でしかありません。
とりあえず、中国は暖房と発電、調理を石炭から天然ガスへ切り替えようとしている最中です。
アメリカの一次エネルギー消費比率
アメリカは昨今、シェールオイル・シェールガス開発によって石油、石炭の自給自足ができつつあります。(まだ輸入しています)
もとよりエネルギー産業の中心が石油であり、政治的ロビイングも盛んなことから、化石燃料に頼った構造になりがちな傾向があります。
フランスの一次エネルギー消費比率
フランスはジスカールデスタンの時代から原発への傾倒が激しく、一次エネルギー全体の4割弱が原子力となっています。
ただ、近年はこの原発依存をやめ、再生可能エネルギーをもっと増やそうという意見も出てきています。(緑の党)
ただし、昔から原発事業を国の中心においていましたから、アレバなどの守旧派も多く、なかなか脱原発はできそうにないのがフランスの現状と思われます。
しかし以前ほど国際的な研究連携で原子力に予算を振り向けなくなってきているのも事実であり、フランスの動向には注目があつまっています。
ノルウェーの一次エネルギー消費比率
ノルウェーはとても特徴的な一次エネルギーの構成をしています。
古くから水力発電が盛んで(フィヨルドの高低差を利用できるため)、エネルギーに困らない国となっています。
なお、ノルウェーは北海油田の権益も持っていますが、ここでとれた石油は多くが輸出にまわります。
ぼろ儲けしたカネを使って、ソブリンウェルスファンドSVF(ノルウェー政府年金基金)として世界各国の株式などに投資しています。
非常に贅沢な国となっています。
ちなみに、ノルウェーでは新車の半数が電気自動車EVだそうです。
世界の国々は、自国に一番あった方法は何かと考え、それぞれ特徴的なエネルギー政策を決めています。
日本は、とても地震が多く、災害が多く、安定陸塊でもない。。。
そんな国でありながら、日本はいまだに原発を主力電源のひとつであると考えています。
はたして、それが利口な方法なのかどうか。
よくよく考えてみる必要がありそうです。