【コバルト】カタンガ・マイニング(Katanga Mining)~カモト鉱山、KOV鉱山を運営

カタンガ・マイニング(Katanga Mining)コンゴ民主共和国DRCでカモト鉱山を運営するグレンコア傘下のコバルト生産世界最大手

今回は、グレンコア傘下でカモト鉱山(Kamoto mine)、KOV鉱山を運営するカタンガ・マイニングについてみていきましょう。

まずはカタンガ・マイニングの会社説明から始めます。


 

カタンガ・マイニングとは?

カタンガ・マイニング(Katanga Mining)は英国に本拠地を置く銅、コバルト企業で、カナダのトロント市場で上場しています。ティッカーはKATです。

上場している企業ではあるのですが、親会社はスイスのグレンコアで、上場株式の86%を保有しているとされます。

 

 

カタンガ・マイニングのカモト鉱山とKOV鉱山

アフリカのコンゴ民主共和国DRCでカモト鉱山(Kamoto Copper Mine/ KCC)とKOV鉱山(Kamoto Oliveira Virgule)いう銅・コバルトの鉱山を運営しています。

KOV鉱山のほうは、2008年にNikanorというロンドン上場企業をカタンガ・マイニングが買収したことで手に入れたものです。

このどちらの鉱山も非常に大きな鉱床であり、特にコバルトは他に類をみないほどの量を誇っています。

カタンガ・マイニングは銅でアフリカ最大、コバルトで世界最大の企業です(たぶん)。

とりあえず、コバルトといったらカタンガ・マイニング、と言った感じの銘柄であります。

 

 

カタンガ・マイニングの掘り出すコバルトに群がる自動車メーカー

自動車の排ガス問題に絡み、環境規制はどんどん厳しくなっていっています。

これを克服するため、世界の自動車メーカーがEV(電気自動車)化を推し進めています・・・がリチウムイオン電池が足りない状況です。

このリチウムイオン電池の正極材材料にコバルトが利用されます。

というわけで、コバルトを世界の自動車メーカーが欲しがっているわけですが、コバルトは世界的にも遍在が激しく、アフリカのコンゴ民主共和国が世界シェアナンバーワンとなっているわけです。(というか、環境対策にカネがかかりすぎてコストにあわない地域が多い)

【統計】コバルト生産量と埋蔵量~DRC(コンゴ民主共和国)が世界生産の約2/3シェア【グラフ】

この圧倒的なコバルト生産量のコンゴ民主共和国ですが、そのなかでもカタンガ・マイニングは群を抜いた存在です。

なお、カタンガ・マイニングがそうであるとは言いませんが、コンゴ民主共和国では児童労働によってコバルトが生産されているといわれており、世界的に非常に問題になっています。

コンゴ民主共和国DRCのコバルト生産~少年兵と鉱山における児童労働

 

 

カタンガ・マイニングはコンゴDRC国営鉱山会社ジェカミンと揉めていた

コンゴ民主共和国DRC政府はこの莫大なカネのなる木をみすみす放っておくはずがありません。

コンゴ国営鉱山会社ジェカミン(Gécamines)は、カタンガ・マイニングに対してあれやこれやのいちゃもんをつけて、政府側に権益をもっと寄こせ、さもなければ権益の採掘権などの許可をださないぞといってきました。

これに対してグレンコア側は債務圧縮などで協力、ジェカミン側に探査費用などの支払いをすることで和解。

多大なコストを支払って運営継続にこぎつけました。

 

 

カタンガ・マイニングに対する出資、取引めぐりグレンコアに贈収賄惑容疑

英国重大不正捜査局SFOがグレンコアとダン・ガートラー氏、コンゴ政府関係者の贈収賄事件を捜査。

Glencore Said to Face U.K. Bribery Probe Over Congo Dealings (2) Bloomberg

なお、これはまだ捜査継続中のもよう。まだ結論が出ていませんが、非常に危ない橋を渡ってでも手に入れたがったカタンガ・マイニング。

グレンコアの本気度がうかがえます。

 

 

 

で、そんなこんなで非常に頑張ってきたグレンコアなんですが

ここにきて非常に残念なお知らせがございますw

 

 

 

 

 

 

 

カタンガ・マイニングによると、カモト鉱山から採掘したコバルトのウラニウム濃度が高すぎて出荷できないそうですw

Glencore’s Congo unit halts cobalt exports from Kamoto mine Mining.com

Glencore’s Congo Unit Halts Sales of Radioactive Cobalt Bloomberg

 

これは痛いw

とても痛い・・・グレンコアにとっても、EV業界などにとっても痛い・・・ww

やらかしたなぁ、、、という感じですね。

とりあえず、2019年6月ころまでに放射性物質除去をイオン交換装置でやりはじめて、年末までには出荷をしきってしまいたいとのこと。

ただ問題は、そのコストはもちろんかかるし、供給のない間のコストも上昇するはず。

いろいろと厄介な状況になっています。

 

 

タンガ・マイニングの株価はコバルトへの熱が冷めるとともに下落~

ごらんのとおり、カタンガ・マイニングの株価は年始から暴落しています。

これは度重なるいろいろな問題(グレンコアに対する捜査など)が噴出したことが背景にありますが、とりあえず、コバルトに対する期待が剥げ落ちてきていることが一つの理由です。

コバルトはリチウムイオンバッテリーの正極材に利用されますが、この使用量を減らす取り組みが広がっており、その影響でコバルト価格は従来のアナリスト予想よりもかなり低いところで推移しています。そのことが影響しているとされています。

今回の放射性物質濃度が高すぎる問題がさらに追加され、株価は大きく売られる展開となりました。

 

 

 

とりあえず、今回はコバルト大手カタンガ・マイニングについてみてきました。

この会社はまた折に触れて物色されると思います。

そのときは、グレンコアに完全に吸収される時かな?

とりあえず、投資先としては考えられませんが、いろいろな指標としては使える企業です。

ウォッチしておいて損はないです。

以上。