テスラが上海に工場を建設へ~関税を避けるためと解説されがちだが~
テスラが上海に単独出資で年50万台規模のEV生産工場を建設
テスラが中国上海に単独出資でEV生産用の工場を建設するとのことです。
生産規模は年間50万台となるとのこと。
なお、投資額は不明。
明らかにしていません。
なぜテスラは中国にEV工場を建設?
これにはいくつかの理由があると思います。
1.NEV規制によるEV需要拡大を見越してのもの
2.米中貿易戦争を受けた高関税措置を回避するため
3.現状よりも安い労賃で生産できる
4.生産管理が完成しつつある
5.単独出資可能になった
番号順に書いていきます。
テスラが中国に工場を建設した理由1~NEV規制を見越して~
中国では2019年よりNEV規制が強化されます。
これはカリフォルニア州のZEV規制を真似たもので、ようするに
「ガソリン車を売るならばEVも一定割合売れよ」
というものです。
もしそのメーカーにEVのラインナップがないならば、EVを新たに開発するか、もしくはEVを売っているメーカーから補助金枠を調達しなければなりません。もしくは、罰金を払う必要があります。
テスラが中国に工場を建設した理由2~米中貿易戦争における高関税をさけるため~
皆さんご存知の通り、現在中国と米国は貿易戦争の真っただ中です。
お互いに自動車に高関税をかけあっており、テスラの中国販売も関税込みの価格が上昇していることを背景に、大幅に落ち込んでいます。
テスラとしては、これを避けたいとの思いがあったのは確かでhそう。
多くの解説者もこの点を強調します。
しかし個人的には、これはテスラが中国工場を建設した理由のひとつにすぎないと思っています。
テスラが中国に工場を建設した理由3~アメリカ工場よりも安い労賃で生産できる~
テスラがアメリカで運営している工場は、米国でも賃金がかなり高いであろうカリフォルニア州フリーモントにあります。
もともとGMとトヨタが運営していたNUUMIという工場ですが、高コストすぎて上手くいかなかったところです。
そもそもにおいて、テスラはこんな高コスト地域で作ってますので、よく黒字化できたもんだな、、、と個人的には思っていたのですが。
それに比べたら、いくら賃金の伸びが高いといってもタカが知れている中国の人件費で生産する方がはるかにお得です。
テスラが中国に工場を建設した理由4~生産管理が完成しつつある~
正直、これが一番大きかったのではないか、という気がします。
最近、テスラはモデル3の週あたり生産台数が1万台突破したと報道されていました。
去年の今くらいは週当たり100台200台の世界でしたから、位置ねんでここまで生産管理が徹底されてきているのは驚くべきことです。
これはテスラが当初から目標としていた数字であり、ようやくこれが達成できたということは、水平に投資をしていっても大丈夫だと確信できたのだと思います。
テスラが中国に工場を建設した理由5~単独出資可能になった~
これは米中貿易戦争のおかげなのですが、中国は外資に対して今までより開放的になっています。
自動車分野などでは単独出資も可能になりました。
この制度を使って今回はテスラが中国に乗り込む、というわけです。
テスラはいずれ、日本などへの輸出拠点として中国を利用しようとしているのではないか、と個人的には予想しています。
テスラの生産性はかなり改善している模様で、黒字化も達成しています。
日本のメーカーは窮地に陥るのではないか、とみています。
以上です。