ムニューチン財務長官が『プランジ・プロテクション・チーム』を招集で株価急落?~それはあまりにも可哀そう~

ムニューチン財務長官が『プランジ・プロテクション・チーム』を招集で株価急落?

 

 

ムニューチン財務長官が『プランジ・プロテクション・チーム』を招集したことを市場が不安視、株価急落の要因に?

ムニューチン米財務長官が市場の急落を阻止するチーム『プランジ・プロテクション・チーム』(plunge protection team)と電話会談を行ったことで、市場が

「なにか自分たちの知らないことが起きているんじゃないか?」

と不安になって株価が急落した・・・

とロイターやらブルームバーグなんかのマーケットニュースがいろいろ報じています。

個人的には、マーケットの一部にそういった見方があるかもしれないが、それをマーケットの下落の要因とみるのは間違っていると思うし、ムニューチン可哀そうだなぁと思います。

 

 

 

『プランジ・プロテクション・チーム』とは?

『プランジ・プロテクション・チーム』というのは、要するに日本でいうところのPKO(プライス・キーピング・オペレーション)部隊みたいなものらしい、と言われています。

中国にも『国家隊』と言われるものがあるそうですが、そういったもののようです。

具体的な行動はまったく見えない組織ですから、常にさまざまな憶測を呼ぶ『プランジ・プロテクション・チーム』。

今回も、召集されたことで大きなニュースになりました。

しかし、だから株価が下落したというのはコジツケでしょう。

 

 

 

『プランジ・プロテクション・チーム』は87年のブラックマンデーによる株価暴落を受けて設立

『プランジ・プロテクション・チーム』は87年の株価暴落、ブラックマンデーを受けて設立されたものと言われています。

直近では2008年のサブプライムローンバブル崩壊などの際にも呼ばれたとされ、危機対応の何でもアリな体制を象徴するもののようです。

この『プランジ・プロテクション・チーム』はFRBやSEC、CFTCなど金融関係機関の当局者からなり、当然のことながらパウエル議長も含まれているものです。

そう・・・つまり、自分が思うに・・・

 

ムニューチン財務長官が『プランジ・プロテクション・チーム』を招集した理由

 

は、まず自分がいま起きていることを把握したかったから、というのと、

もうひとつの理由として、他の政府機関のトップ人材に、パウエルFRB議長を説得してもらいたかっただからじゃないか?

 

という気がしています。

ぶっちゃけ、トランプはもとより、ムニューチンもパウエルFRB議長も経済学はズブの素人なみといわれています。

経歴からしてもそれはわかります。(どちらも経済学を専攻していません。ムニューチンは経営学、パウエルFRB議長は法学です。)

 

パウエルFRB議長の利上げ継続&引き締めバイアス姿勢に対しては、トランプ大統領のみならず、多くのマーケット参加者から疑問の声が出ています。

マーケットとの対話能力のなさにもウンザリする声が聞こえています。

そういった点から、ムニューチンは動いたのではないか、という気がします。

『プランジ・プロテクション・チーム』で下がったといわれるムニューチン財務長官が気の毒・・・

たしかに、『プランジ・プロテクション・チーム』の招集を不安視するマーケット参加者はいるでしょう。

いないとは言いませんが、しかしそれはあまりにもコジツケな気がします。

むしろ、マーケットは大統領府やFRBなど政府系の連中を信用できなくなっている、そういう状況のように思います。

つまるところ政策リスクだけを織り込みに行く相場

逆に言うと、政策が非常にマーケットフレンドリーになるタイミングを待つ相場でもあります。

 

とりあえず、その変化を見極めることが向こう数週間、たぶん1月相場の中心になると思います。

その後は、業績にフォーカスの当たる相場に移行です。

スケジュールの合間は、政治が埋めるはずです。

以上です。