Intelの次世代SoC『Lakefield』はガチめに凄い!~3次元パッケージング技術『Foveros』の全貌が明かされる

Intelの次世代SoC『Lakefield』~3次元パッケージング技術『Foveros』を採用

 

 

CES2019でインテルが3次元積層パッケージング技術『Foveros』を用いた最新式SoC『Lakefield』を公開

電子機器の総合見本市CES 2019が米国ラスベガスで開催中です。

これに先立ち、先日インテルが発表した最新式の3次元パッケージング技術『Foveros』を用いたSoC『Lakefield』が発表されました。

これがなかなかにエグいのでご紹介します。

 

 

3次元パッケージング技術『Foveros』を用いた次世代SoC『Lakefield』

先んじて発表された『Foveros』の資料では3層構造まで確認されていた3次元パッケージング技術。

ですが、今回の次世代SoC『Lakefield』の解説では、上2層がDRAMレイヤ、上から3層目にCPUとGPU、上から4層目ににCacheとI/Oまわりが用意される構造となっており、いっきに4層構造に増えています。

しかもDRAMレイヤを独立した二層に分離することでI/O周りや内蔵GPU関連のチップが綺麗に整頓。

もしこれが実現できるなら(というか実現するのでしょうが)、画期的なコンパクトPCが実現できることでしょう。

 

 

 

 

3次元パッケージング技術『Foveros』を用いた次世代SoC『Lakefield』の凄い点は・・・

これの何がすごいかって、簡単に言ってしまうと、とにかく小さなPCが作れるってことです。

でもそれだけじゃありません。

拡張性を犠牲にするかわりに、超低コストでハイパワーな安価な超省電力モバイルPCを生産することが可能になるかもしれないんです。

 

3次元パッケージング技術『Foveros』を用いた次世代SoC『Lakefield』で省電力

つまり、全部SoCのなかで処理してしまうことで、基板を通るときのエネルギーのロスが減ります。

消費電力が少ないってことは、バッテリーの持ちがよくなるということです。

10nmプロセスによってだいたいチップ自体の消費電力は3割減りますし、さらにほかのI/Oなどをワンチップに持ってくればロスもなくなって凄い低消費電力が達成できるはずです。

 

3次元パッケージング技術『Foveros』による次世代SoC『Lakefield』で低コスト生産

これは半導体の歩留まり次第でもありますが、少なくとも、他のメーカーのI/Oやグラフィックチップ、モデムなどを別々に積むよりも、パッケージングにかかるコスト、基板のコストなどさまざまな部分で金属資源の使用量は減りますし、作業量は減ります。

他のパーツとの相性などを考えずに済むため開発コストも減るはず。

つまり、生産全体のコストは究極的には低下するはずです。

 

 

3次元パッケージング技術『Foveros』による次世代SoC『Lakefield』で拡張性はないけれど低価格を実現

このLakefieldのネックはたぶん拡張性の乏しさだと思います。

内部にDRAMやチップセット、I/Oまわりを統合してますから、基板上のコネクタなどもあまり必要なくなるでしょう。

メモリスロットすら積まないマシンが横行するかもしれない。

手のひらサイズのパソコンが当たり前になるかもしれません。

 

 

 

3次元パッケージング技術『Foveros』を用いた次世代SoC『Lakefield』の普及で何が起きる?

このLakefieldですが、いくつかの業界には脅威になると思われます。

とくにそれはメモリ業界などだと思います。

LakefieldではDRAMを内蔵するようになります。

現在はサムスンやマイクロンなどのDRAMを購入してきて基板に実装していますが、今後はSoCのなかで全部済ませる方向になりかねません。

I/Oまわりやコネクタ周りなどは、基本的にスペースが空けば他の機能が追加されて、新しい体験を提供する方向に進化していくのがPCやデジタルガジェットの正当な進化ですから、心配しなくていいと思います。

しかし、ことDRAMに関しては、別にわざわざ外部に足さずに、SoC内部で積層化できるならそれに越したことはないと思われます。

その方がアクセスが速いですし。

というわけで今回の3次元パッケージング技術『Foveros』を用いた次世代SoC『Lakefield』、一番の影響はメモリ事業中心の企業に影響するとみています。

 

なお、今回のCES2019にあわせて、インテルは10nmプロセスルールで作成した最新CPU『Ice Lake』なども発表。

グラフィックス性能を1T Flopsにまで高めたGen11を内蔵し、Wi-Fi6も統合、かなり意欲的な製品に仕上がっています。

インテルが新型CPU『Ice Lake』(アイスレイク)を発表~19年末までに10nmプロセスで製造開始へ

こちらはLakeFieldとことなり、もう少しハイエンドの商品となりそうです。

以上。