【3593】ホギメディカルの業績と株価~オペラマスターが競合激化で悪化中
今回は、使い捨て手術用品キットおよび業務提案システム「オペラマスター」などを展開するホギメディカルについてみていきます。
まずはホギメディカルの会社説明から始めます。
ホギメディカルの会社説明
ホギメディカルは医療用不織布、手術用具を製造、キット化して販売、さらには業務提案を行う企業です。
ホギメディカルの事業内容
ホギメディカルは、もともとは医療用記録紙の販売会社でしたが、その後、滅菌バッグを発売、ディスポーザブル手術着、医療用不織布事業にも乗り出しました。
1994年からは、ディスポーザブルな医療用具やガウンなどをひとつに纏めたキットを販売。
そのキット化された製品を販売する中で得られた情報をもとに、個別病院ごとに業務提案『オペラマスター』をも行う企業になっています。
ホギメディカルのオペラマスター
ホギメディカルの主力商品が、オペラマスターと呼ばれる手術業務の一連の流れを管理するツールと、それをもとにしたホギメディカルの商品の販売です。
どういった医療キットが必要か、手術手順ごとに情報を整理し、準備リストを作成し提案。
棚ランプを点灯させてミスをなくすなどのデジタル・ピッキング・システムを用いるほか、RFIDを用いたカートや医療従事者の移動・行動を把握。
業務の改善全体を提案するものとされています。
が、このホギメディカルのオペラマスターが最近、解約件数増加で軌道に乗っていないように見えます。
【3593】ホギメディカル2018年Q3決算https://t.co/czoWuxFk6x
こちらはQ2段階のデータだけど、オペラマスターの浸透率が悪化しまくり。
解約病院の方が新規契約病院を上回っている。 pic.twitter.com/YFjuxYX3HF— 中卒くん@株 (@chu_sotu) January 17, 2019
実際のところは業務改善がそれほど劇的ではなく、むしろこのシステムに縛られることによるキット販売価格の固定化が嫌気されているのではないか?と個人的にはみています。
浸透率の推移はここもと落ちており、さらにいうと初期からオペラマスターを利用している医療機関の浸透率も落ちているところがあります。
58期段階で言うと、新規契約6施設、解約11施設、累計契約277施設と前期に比べてオペラマスターの利用病院が減少してしまっています。
つまりそれは、ホギメディカルの商売の仕方に問題がある、とみている病院が多いのではないでしょうか。
ホギメディカルの業績
ここからはホギメディカルの業績についてみていきます。
(以下は2019年1月17日に書きました)
ホギメディカルの2018年Q3決算の業績
【3593】ホギメディカル2018年Q3決算https://t.co/czoWuxFk6x
業績は相変わらず悪いが、とりあえず前年比の減益率は改善中 pic.twitter.com/aphyvcxhe8
— 中卒くん@株 (@chu_sotu) January 17, 2019
ホギメディカルの業績は相変わらず悪化していますが、中間期までの大幅な下落からみれば、前年比の営業減益率は低下しています。
3Qに限れば5.0%の増益に転じています。
なお、最終利益は有価証券売却益で嵩上げ中です。
【3593】ホギメディカル2018年Q3決算https://t.co/czoWuxFk6x
業績は悪いが、投資有価証券売却益で最終利益は嵩上げ中 pic.twitter.com/HygALOrwjL
— 中卒くん@株 (@chu_sotu) January 17, 2019
ホギメディカルの株価 20190117
この決算を受けてホギメディカルの株価は上昇中
最悪期は通過した、との見立てでしょうか。
バリュエーション面からみると、ホギメディカルは有価証券売却益を除くとPERは30倍近くなり、かなり割高感が漂うように思われます。
しかし、ホギメディカルは営業CFと現金保有が非常に潤沢ですし、有利子負債がほとんどない&自己資本比率88.8%の実質無借金経営です。
割安とまではいきませんが、資産面からみればいろいろと好まれそうな銘柄ではあります。とくに経営方針提案型のファンドなどからは。
以上。
なお、上記はあくまでも個人的な見解です。
特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。
投資にあたっては自己責任でお願いいたします。