【2228】ラスク販売のシベールが倒産(民事再生法申請)

【2228】ラスク販売のシベールが倒産(民事再生法申請)

 

ラスク販売のシベールが倒産(民事再生法申請)しました。

同社の業績をみると売上規模の小ささに比較して、役員報酬の大きさが目立ちます。(訂正です。勘違いです。)

 

ちょっとみていきましょう。

と、その前にシベールについて軽く紹介します。

 

 

倒産したシベールの創業者は熊谷眞一氏という方だそうです。

熊谷眞一氏の実家は山形県大江町で和菓子商を営む家庭だったとのこと。

高校卒業後に仙台、東京で修業し、その後1966年に洋菓子の店シベールを創業

1970年には会社組織とし、社長就任

創業から10年後、売れ残りのフランスパンをラスクにして販売したところこれが大ヒット。

贈答用ラスクを販売する会社として、ほとんどラスクに収益利益を一本足で頼り切る経営でありながら、2005年にJasdaq市場に店頭公開しました。

当時は飛ぶ鳥を落とす勢いで、メディアにも頻繁に取り上げられていました。(たぶん広告代理店などにカネを払ったんでしょう)

南青山にショップを構えるなどイケイケドンドンな経営をしていましたが、徐々に人々に飽きられ、業績は右肩下がりに。

熊谷眞一氏は2010年に会長職につき、佐島清人専務が社長に昇格。

その佐島清人専務も2015年に退任して黒木誠司専務が社長に昇格。

今に至ります。

 

 

 

 

シベール株式 所有者別状況

平成30年8月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満株式の状況(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数(人)

3

2

29

2

4

7,134

7,174

所有株式数
(単元)

952

5

4,364

21

4

12,719

18,065

300

所有株式数
の割合(%)

5.27

0.03

24.16

0.12

0.02

70.41

100.00

 

シベール大株主

平成30年8月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

株式会社ムゲン

山形県山形市城南町一丁目12-12

187,800

13.07

公益財団法人弦地域文化支援財団

山形県山形市蔵王松ケ丘二丁目1-3

145,000

10.09

東京中小企業投資育成株式会社

東京都渋谷区渋谷三丁目29-22

84,000

5.85

株式会社山形銀行

山形県山形市七日町三丁目1-2

70,000

4.87

シベール社員持株会

山形県山形市蔵王松ケ丘二丁目1-3

17,903

1.25

株式会社三井住友銀行

東京都千代田区丸の内一丁目1-2

14,000

0.97

日本生命保険相互会社

東京都千代田区丸の内一丁目6-6

11,200

0.78

黒田辰男

山形県山形市

10,000

0.70

日本製粉株式会社

東京都千代田区麹町四丁目8

10,000

0.70

渡辺誠二

宮城県宮城郡利府町

9,600

0.67

559,503

38.94

株式会社ムゲン、公益財団法人弦地域文化支援財団というのは、シベールのオーナーの資産管理目的ユニットかなにかでしょうか。

意外と持ち株比率が低いかんじがします。

個人株主数がやたら多いですね。

これは株主優待狙いのコ〇キたちですかね(笑)

 

倒産したシベールの役員構成

  • 代表取締役社長が黒木誠司
  • 常務取締役が黒田辰男、本田政信、横戸繁春
  • 取締役に鈴木肇子
  • 監査役に小山正隆(常勤)、髙橋勝幸、今田早百合

となっています。

シベールは熊谷眞一という方が創業したそうですが、苗字などからは関係性のありそうな方はいません。

また、各人の経歴などをみても、たとえば代表取締役の黒木誠司氏は山形銀行の常務取締役などを経ていたりなど、どちらかというと外部経営人材で回していたような感じも受けます。

 

 

倒産したシベールの業績

とりあえず、ここからは倒産したシベールの業績をみてみましょう。

まずはここ数年の経営推移

これは酷い

売上が恒常的に減少

まったく先が見えないw

こりゃ倒産して正解でしょう。

 

倒産したシベール~業績のわりにやたら大きな役員報酬

(訂正、有報ではみると一人当たり1000万程度、さほど大きくありません。給与との合算であるのを見落としてました。失礼しました。)

注目してみたいのはここですね・・・なんで業績がこんなに悪いのに、役員報酬等で4.3億も必要なんでしょうか?株主はなんでこの状況で黙っていたんでしょう?役員報酬の額なんて興味なし。株主優待もらえれば企業統治なんてどうでもいいそんなふうにおもっていたんでしょうか?

(失礼しました、役員報酬は一人当たり1千万円程度で妥当な範囲です。間接部門従業員の給与と一緒になっているのを見逃した当方のミスです。@itchy310さん、指摘ありがとうございます。)

さすが現役金融の方です、ぱっとみて間接部門の人員が多すぎると見抜いてます・・・さすがですね・・・

いつもありがとうございます。とても勉強になります。

 

 

シベールの倒産直前データ

なお他のデータも置いておきます。事後にいろいろ検証するときに役立つでしょう

 

 

 

シベールの倒産から思うこと~株主優待は企業統治において百害あって一利なし

ぶっちゃけ、シベールって会社は倒産して久しぶりに存在を確認したくらい、視界から消えていた企業です。

ラスクでひと山あてただけで、その後はなかず飛ばず。

個人的にはまだ上場していたことが驚きなくらいな会社です。

だからどうでもいいっちゃどうでもいいんですが・・・

 

しかし、この酷い業績でも、これだけたくさんの個人投資家がいたということには驚きです。

そして、この売上規模と損失レベルなのに、役員報酬に4億超も払うというのが理解できません。

株主はなにをしてたんでしょうか。

株主優待でラスクもらえればそれでよかったんですか?

株主優待に目がくらんで、企業統治に口を出さなかったコジ〇株主はこういう目にあうわけですね。いい教訓になったと思います。

とりあえず、企業統治において、株主優待なんて百害あって一利なしです。

東証も金融庁も、株主優待制度を禁止するようにしたらいいと思います。

以上。