シーメンスとアルストムの鉄道事業統合を欧州委が拒絶か~中国中車CRRCの覇権強まる

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シーメンスとアルストムの鉄道事業統合を欧州委が拒絶か~中国中車CRRCの覇権強まる

 

中国の巨大鉄道メーカー、中国中車CRRCに対抗して合併を目指していたシーメンスとアルストムに暗雲が漂っています。

中国の巨大鉄道会社、中国中車CRRCは2015年に中国国営の2大鉄道車両メーカー中国南車と中国北車が合併して誕生した企業です。

この中国中車CRRCですが、現在売上規模が300億ユーロを超える世界最大の鉄道車輛メーカーとなっています。

(なお、2位以下はシーメンス、3位ボンバルディア、4位アルストム、5位ゼネラル・エレクトリック、6位日立製作所、7位現代ロテム、8位シュタッドラー・レール、9位トランスマッシュ、10位CAFとなっています。SCI調べ)

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この中国中車CRRCに対抗するために、欧州のシーメンスとアルストムは鉄道事業を統合しようとしていました。

 

 

シーメンスとアルストムが鉄道事業合併しても、中国中車CRRCの半分の売上

なお、この統合をした場合でも、シーメンス+アルストムの売上規模は1兆5000億ユーロ程度と中国中車CRRCの半分以下に留まります。

たとえそれでも、「統合しないよりはした方がいい、むしろしなければ生き残れない」との切迫感から、両社は統合を加速。

シーメンスはドイツ系ですし、アルストムはフランス系です。

労使関係もいろいろと異なる二社ですが、それを乗り越えて統合をしていこうとしていました。

 

 

中国中車CRRCに対抗して合併を目指したアルストムとシーメンスに立ちふさがる欧州委

しかし、ここでアルストムとシーメンスの前に立ちふさがったのが欧州委員会、EUです。

もしアルストムとシーメンスが統合すると、欧州域内での圧倒的なトップ企業ができてしまうことに反対する声があがり、統合作業が中断。

欧州委員会は、信号事業や高速鉄道事業の売却などを求めてきました。

しかしこれらは鉄道事業の核となるものですし、シーメンス、アルストムともにこれを失っては稼ぎになりません。

強硬に反対を続けました。

 

 

アルストムとシーメンスの態度に欧州委が反発、破談の危機に~マルグレーテ・ベステア―委員が吼える

こうしたアルストムとシーメンスの態度に欧州委が反発。

アルストムとシーメンスはその後、信号機事業を売却する方向に傾いたのですが、それでも欧州委は認めないのではないかと、現在のところ観測されています。

EU’s Vestager Opposes Renewed Siemens, Alstom Deal

欧州委員会のマルグレーテ・ベステアー委員(競争政策担当)が特に強硬に反対しているとされ、完全に意固地になっている感じです。

全体的な欧州の産業政策なんておかまいなしに、消費者の権利を最大限に突き進めるベステア委員・・・ちなみにこの人は米IT系企業に対するアンチトラストでもごちゃごちゃ言ってる人ですが

いやはや、眉間にタテ皺3本生やしてこわいこわい・・・

 

しかしアメリカのナンシー・ペロシにしてもそうですが、なんで女性って交渉事になると意固地になってご破算に持ち込もうとするんでしょうか。

大局的にものを見ずに、意見が通らなければ破談に持ち込もうとする。

妥協しない、それが強い女、利口な女だと思ってるんでしょうか。。。

 

やりにくいなぁ。

 

 

とりあえず、話をもとにもどします。

鉄道の話にもどします。

 

 

アルストム、シーメンス、川崎重工などに育てられた中国中車CRRC

思えば、ケチのつきはじめは2000年初頭にさかのぼります。

当時、中国は国内に高速鉄道網を大量に整備しようと計画をぶちあげました。

これを商機と見た欧州のシーメンスやアルストム、日本の川崎重工、カナダのボンバルディアなどはこぞって参入。

現在トランプ大統領が中国を非難する内容に「技術の現地移転の強制」「合弁企業による技術の窃取」をあげていますが、まさにこの構図が当時おおっぴらに行われました。

中国の鉄道企業は日本や欧州から高速鉄道や鉄道信号ATCなどの技術をガンガン導入。

中国は「すべて自主開発した技術」とのたまっていますが、中国人ですらこんな嘘を信じちゃいません。

みんなわかってます、外国から導入した技術だってことくらい。

中国はそうして導入した技術をかき集め、鉄道車両・信号機メーカーを統合し、最終的に一社にまとめました。それが中国中車CRRCです。

 

そして、新興国市場に積極的に乗り出したのが2010年代から。

まずはアフリカや東南アジアでプロジェクトを受注し、中国の用意したODA資金、一帯一路資金などと共に開発を進めました。

そしてこれから、2020年代からはいよいよ欧州市場にも乗り込もうとしているわけです。

そうした状況に対抗するためにアルストムとシーメンスは統合しようとしています。

この調子では中国中車CRRCの前に共倒れになりかねない、と。

 

 

この調子だとシーメンス、アルストムは共倒れ。中国中車CRRCが伸す展開に

とりあえず、この調子だとシーメンス、アルストムともに共倒れになるでしょう。

両社ともに過剰な労働力と生産拠点を抱えており、その統合・整理がなければ中国中車CRRCの生産性には勝てそうにありません。

しかし、左がかったEUの消費者保護・労働者保護の立場からすると、こうした統合は避けるべきという判断。

 

こういう一つ一つの出来事をみていくと、なるほどブレグジットもしたくなるよね、という感じがします。

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以上。