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【2689.hk】玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー・インダストリーズ)の業績・決算と株価

【2689.hk】玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー・インダストリーズ)の業績・決算と株価

今回は玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)についてみていきます。

玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)はアジア最大の段ボール企業です。

企業規模としては、日本のレンゴーと同じくらいとなります。

近年、中国ではオンライン通販の盛り上がりで段ボール価格が大きく上昇しました。

しかしブームも落ち着き、参入企業も増えたことから、やや業績に陰りがみえています。

まずは玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)の事業内容からみていきましょう。




 

 

玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)の事業内容

玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)は段ボールの製造販売を行う企業です。

企業規模は2016年のPwCの調査によると売り上げ規模21位。

ちょうど22位にレンゴーが来ていますので、同じくらいの規模ということになります。

 

玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)は中国最大の段ボールメーカーであるとともに、中国トップの紙業メーカーでもあります。

段ボール事業のライバルとしては理文造紙(02314)があります。

紙業二位は⇒【1812.hk】山東チェンミン・ペーパーの業績・決算と株価~山東晨鳴紙業集団~

ただ、玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)は一般的な事務用の紙は、全体のウェイトからすると1割程度となっており、基本的には競合しない状況となっています。

 

 

玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)の業績~2018年Q2

玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)の事業年度は6月限となっているため、最新の決算は2018年12月のものとなります。

これによると、同社の業績は昨年同期比で大きく落ち込んでいます。

 

背景には、

1.オンライン通販の伸び悩み・・・一応二けたで伸びてはいますが、以前のような40%超の伸びではない。

【統計】中国小売売上高2019年3月~社会消費品小売総額

2.参入企業が増えて、段ボールの需給が悪化して段ボール価格は下落するとともに、古紙価格は下げ渋り、マージン悪化

 

が影響として挙げられているようです。

とりあえず、中国は古紙リサイクル率が低く、今後リサイクル率が向上するとともに、古紙価格の変動はおきてきます。

さらには環境規制の変更なども影響としてでてきます。

古紙価格、段ボール価格相場は、環境規制や景気などにより販売価格、調達価格ともに変動しやすく、非常に読むことが困難な相場となっています。

玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)の業績を読むこともまた、個人的に難しいと感じています。

 

 

玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)の株価

玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)の株価は上記の業績悪化を織り込むかたちで下落してきています。

今後は競合他社がどういった戦略をとってくるか、また中国政府による古紙輸入制限がどのようになるかなどが焦点になってくると思われます。

なお、玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)は米国のカタリスト・ペーパーを買収するなど高品質パルプの調達を増やしてきました。

本来、高品質パルプは段ボールに使用するにはあまりにも勿体無いものです。

中国で輸入古紙が制限されて、古紙価格が上昇した局面ではこういった戦略は有効でした。

しかし、もし仮に中国国内のリサイクル率が高まってきて古紙価格が下げてきた場合、玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)による紙パ上流への投資は無駄になってきます。

同社にとってはそういった部分も含めて、投資先の有効活用なども今後の焦点になりそうです。

 

なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。

投資にあたっては自己責任でおこなっていただきますようお願いいたします。