【INTC】インテル(Intel)の業績と株価~2019Q1決算~プロセス技術が致命的すぎる~

【INTC】インテル(Intel)の業績と株価~2019Q1決算

 

今回はインテル(Intel)の2019年Q1決算についてみていきます。

なお、以前の決算および事業内容などについては以下の記事に纏めてあるのでご覧ください。

【INTC】半導体大手インテル(Intel)の業績と株価

 

 

インテルの決算は一言で言ってネガティブでした。

なにがどうネガティブかというと

「はたして会社側がいうように、年後半に期待の新プロセスルールが実現するのか?」

という心配が浮上するネガティブさ。

市場はそこまでは考えていないでしょうが、自分はどうにもその可能性を感じざるを得ないです。

とりあえず、足元の業績から見ていきましょう。




 

インテル(Intel)の2019Q1決算

売上微減

粗利益減

マージン悪化で利益率は低下しています。

 

マーケティング費用をガッツリ削ってコストを削減しましたが、

営業利益、最終利益はともに減ってしまっています。

 

 

インテル(Intel)の業績~各セグメント別

インテル(Intel)の各商品分類別の収益と利益は上記のようになっています。

 

パソコン向けは4%上昇

ノート向け、デスクトップPC向けともにボリュームが二けたで落ちています。

生産トラブルが発生しており、販売量を確保できない状況です。

価格は上昇しており、需要自体に影響しかねない状況です。

 

 

データセンター向けは6%減

価格、ボリューム共に落ちています。

 

パソコン向け、データセンター向けともに、10nmプロセスルールへの移行が遅れており、需要が膨らまない状況です。

AMDなどは先んじて高性能なプロセッサを投入しており、しかも安い。

同じスピードのマシンを組んだとして、たとえば1000ドル程度のミドルクラスのマシンを組む場合、AMDの方がおよそ200~250ドル程度は安くなります。

インテルをそれでも選ぶ人は、安定感を求めてのことでしょうが、昔と違っていまはAMDも安定しています。

インテル(Intel)はコンシューマ分野だけでなくデータセンタ―向けでもいろいろ厳しい状況に置かれてきています。

 

 

NANDメモリ事業は12%減

価格下落圧力が大きく、販売量が増えても売り上げが伸びません。

 

IoT向けは8%増

自動運転向け半導体のモービルアイ事業は38%増

プログラマブル半導体事業は2%減

この三つはまだそれほど業績への寄与度が大きくないので無視していいでしょう。

 

なおPLDにおいてザイリンクスなどはそれなり好調に推移しているのに、インテルが弱いのは製品競争力の問題でしょう。

インテルはPLD事業を最終的なSI事業まで含めて提供していこうとしていますが、ハッキリ言って外部に売れないものを自社内で消費しようという態度にみえます。

あまり好ましいやり方ではありません。

そういうことをやっていると製品の競争力が落ちます。

 

 

 

インテル(Intel)の2019年業績見通し

 

とりあえず以下がインテル(Intel)の業績見通しになります。

 

個人的な予想よりもかなり下を叩いてきており、たぶん市場の評価も同様だったと思います。

なお、個人的には今回も10nmプロセスルールについて芳しい進捗状況が聴けなかったことが一番のネガティブ要因です。

「10nmに関しては頑張って取り組んでいる」というばかりで、具体的なスケジュールがみえない。

一応会社側は年末ホリデーシーズンまでには間に合わせると言っていますが、努力目標な感じが漂っています。

ぶっちゃけ、足元の業績が悪くても、そこさえ明確に見えれば悪い気はしないんですが、インテル(Intel)はそこをボカしたのが嫌な感じでした。

 

とりあえず、年末商戦に合わせるためには、夏までには生産準備が完了している必要があります。

在庫を揃えるためにはもう少し前かな。

その点で、もうそろそろ状況が聴こえてこないとイケナイはずなんですが。

 

ぶっちゃけ、世界のデータセンター需要も、同社のプロセッサーの開発動向に大きく左右されます。

多くの需要家があたらしい線幅になるまで待ちのスタンスをとってきています。

だって、実際いままで線幅が新しくなるたびに、めちゃくちゃ高性能になったんですから。

※たとえば前回14nmプロセスルールになったのはBroadwellマイクロアーキテクチャからですが、ブランド名Core i3~などの性能は本当に凄く向上しました。

発熱も少ないし、処理も速い。

それ以前に設備投資していたら馬鹿を見たと思います。

ウェア使用も減って価格も安くなりましたしね。

 

みんなそれを覚えてますから、インテル(Intel)のプロセッサーが劇的に新しくなるのを待っているんです。

14nm⇒10nmへ変化するのを皆が待って、キャッシュ握っている状態です。

ちょうど年後半からは400Gbイーサなども本格的に導入されていきますし、それにあわせようというのが多くの担当者の考えなはずです。

 

しかしこの調子だと、それが先延ばしになるかもしれません。

先延ばしになればなるほど、需要が積みあがります。

それだけ変動が大きくなります。

そこら辺に注目して、他の電子部品関連も見ていくと良いと思います。

 

インテル(Intel)の株価

 

決算を受けて、インテル(Intel)の株価はめちゃめちゃ売られています。

そりゃそうだよねって感じです。

とりま、いつかは出てくるんでしょうが、プロセス技術の弱さはインテル(Intel)にとって致命的です。

この弱さは、かりに線幅10nmに成功したとしても、次の線幅5nmをめぐる争いではまた問題になります。

 

インテル(Intel)は設計技術ばかりにカネかけないで、製造技術にもカネかけた方がいいです。

このままだとホントに不味いと思います。

以上です。

 

なお、上記はあくまでも個人的見解です。

特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。

投資にあたっては自己責任でお願いいたします。