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民航発展基金支給廃止で中国空港三社(北京首都、広州白雲、海南美蘭)はどうなる?

北京首都国際機場、広州白雲国際空港の株価が暴落!民航発展基金の返金停止措置で利益急減の可能性

 

6月19日、中国空港三社、北京首都国際機場、広州白雲国際空港、海南美蘭国際機場(海航基礎)の株価が大暴落しました。

理由は、これら空港三社に対する民航発展基金からの返金受領措置の停止。各社の営業収益のおよそ12~16%を占めていた収入が突如失われることとなり、北京首都国際機場は一日で25%の下落を記録。広州白雲国際空港は二日連続ストップ安となり、海航基礎も二けた以上の大幅安となりました。

空港3社、「民航発展基金」返金受領が取り消し 18年売上高が減少へ

 

 

広州白雲国際空港/Guangzhou Baiyun International Airport Co.,Ltd.(上海A株:600004)

 

 

北京首都国際機場/Beijing Capital International Airport Co.,Ltd.(香港市場:0694)

 

 

海航基礎/HNA Infrastructure Co.,Ltd.(香港市場:0357)

 

以上のように大幅安になった空港三社(北京首都国際機場、広州白雲国際空港、海南美蘭国際機場/海航基礎)の株価ですが、実際のところ、まだ株価は業績の下押し分をすべて織り込んだとは言えないと思います。

 

まずニュースソース、および各社のプレスリリースをみてみましょう。

北京首都国際機場  ANNOUNCEMENT-INSIDE INFORMATION 2018…

広州白雲国際機場 白云机场关于取消民航发展基金返还作企业收入处理政策的公告

海南美蘭はよくわからなかったのでパスします。とりあえず、上記二社についてみていきましょう。

 

先に言っておきましょう。

この二社のうち、広州白雲国際空港の方はプレスリリースがわかりやすいです。逆に、北京首都国際機場の方は、ひっかけがあると思われます。

 

 

 

まず広州白雲国際空港ですが、過去に受け取ってきた歴年の民航発展基金の額を載せています。それによると

2015~2017年に受け取った金額は6億9800万人民元、7億7700万人民元、8億3700万人民元

となっています。全収入に占める比率に直すと、

2015年~2017年までのそれぞれの年で12.42%、12.60%、12.38%を占めていた

ことになります。つまり、これだけ営業利益段階が押し下げられることになるわけですから、民航発展基金がまったくなかった場合、2017年の営業利益は半分に、純利益も5~6割程度になっていたものと思われます。

広州白雲国際空港(600004.SS)の株価は2017年EPSベースでPER20倍程度で売買されていますが、実際にはPER40倍の株価になっている、ということになると思います。2018年には新ターミナルの開設などによる収益および利益上昇が期待できますが、それを考慮にいれても、現状の株価は実質ベースでPER25~30倍程度ということになります。(現実に大きな影響が見えてくるのは2019年ベースからです。)

 

 

 

さて、問題は北京首都国際機場です。こちらはわかりにくい。先ほどのニュースソースと企業側プレスリリースを読みますと、

財政部による取り消し通知は5月29日付、半年後の11月29日付で執行

・・・と書いてあります。つまり、今年の影響は実質約一か月分だけということになります。

そして、北京首都国際機場はこの一か月で1億2000万人民元の影響が出る、とプレスリリースに書いている・・・ように読めます。つまり

北京首都国際機場の年間収益のうち14億4000万人民元が民航発展基金で、これが2019年からは消える

・・・ということじゃないか?と読めます。(俺の読み方が間違っている?)

もしそうだとすると、これはかなりデカいです。2017年の最終利益の6割以上に喰い込んでくることになります。

そして、北京首都国際機場独自の問題として、もうじきに第二空港が北京に開港します。よって、売上、利益ともに大幅な上昇が期待しにくい状況になります。

さて現状、北京首都国際機場の株価は、2017年利益ベースのPER12倍程度のところで売買されています。しかし、これをもとにして考えると、実質ベースではPER25くらいになるのではないか?と個人的にはみています。

 

大雑把な試算ですし、元のデータの読み取りが間違っている可能性はあります。ただ、もしこの試算が正しいのであれば、ちょっと割高感を感じるかな?という気がします。

 

 

 

とりあえず、今回は海南美蘭空港(海航基礎)についてはデータ不足で試算できませんでしたが、のちのちデータが揃い次第、そろばんを弾きたいと思います。

以上、個人的な試算を書いてみました。何度も書きますが、前提の読み取りと試算が間違っている可能性がありますので、投資をお考えの際は俺の試算をあてにせず、ご自分の計算と判断で行っていただきますようお願いいたします。

 

追記:HNA(海航集団)は習近平国家主席の腹心、王岐山の妻方の親族が関係する企業で、過剰債務に苦しんでいたりします。いま、この海航集団の中核企業への補助金がカットされる、ということのメッセージは何なのか?

個人的にそれは、米中通商摩擦に際し「身内だって補助金削減しているんだから、みんなも我慢してくれよ」というメッセージなのではないか?という気がしています。うがった見方かもしれませんが。

もしかしたら、今後いろいろな方面で、中国は補助金カットをし始めるかもしれません。