アルワリード・ビン・タラール王子の弟ハリド・ビン・タラール王子が一年ぶりに釈放される~サウジ記者殺害事件めぐりムハンマド皇太子への外圧高まる
アルワリード・ビン・タラール王子(Al-Waleed bin Talal)の弟ハリド・ビン・タラール王子(Khalid bin Talal )が一年ぶりに釈放されたと報道されています。
Saudi Arabia frees Prince Khaled bin Talal after months of detention BBC
Saudi Prince Khaled Bin Talal released from detention Middle East Monitor
ハリド・ビン・タラール王子は昨年11月、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子(ムハンマド皇太子)による他王族の一斉拘束事件により一年近く拘束されることになりました。
なお、兄のアルワリード・ビン・タラール王子もこの時に拘束され、多額の身代金をムハンマド皇太子に支払うことで釈放されたと言われています。
ハリド・ビン・タラール王子がその後も一年近く拘束されていた理由については不明ですが、ムハンマド皇太子が他王族に対してかけていた罪状について、ハリド・ビン・タラール王子は認否を拒否していたためではないか、と言われています。
なお、ハリド・ビン・タラール王子には何年も意識不明で寝ている息子がいますが、ようやく一年ぶりに再会できたとのことで、再開を喜ぶ姿がtwitterに投稿されています。
الحمدلله على سلامتك❤️ pic.twitter.com/drFWupyKQy
— ريم بنت الوليد Reem (@Reem_Alwaleed) November 2, 2018
アルワリード・ビン・タラール王子、ジャマル・カショギ氏殺害に関してムハンマド皇太子の無罪を確信とインタビューに語る
なお、この釈放に前後して(釈放の前か後かは不明)、アルワリード・ビン・タラール王子はインタビューに答えています。
このインタビューのなかで、ジャマル・カショギ氏殺害事件に絡み首謀者であると見られているムハンマド・ビン・サルマン皇太子(ムハンマド皇太子)に関して「彼の無罪が明らかになるはず」などと語っています。
Saudi Prince Alwaleed – Khashoggi probe will exonerate leader Channnel NewsAsia
また、昨年の拘束に絡み、ムハンマド皇太子のやりかたを水に流すとも語っています。
融和ムードを醸成しており、これが弟のハリド・ビン・タラール王子の釈放に繋がっている可能性もあります。
ただ当然ですが、アルワリード・ビン・タラール王子がジャマル・カショギ氏殺害事件に絡みムハンマド皇太子の無罪を本気で信じているかは難しいところです。
サウジ出身の反体制記者ジャマル・カショギ氏がサウジ領事館内で殺害された可能性
砂漠のダボス会議で利用されたリッツカールトンに拘束されていたハリド・ビン・タラール王子
ちなみに、今回のハリド・ビン・タラール王子の釈放で異様に感じるのは、その拘束期間の長さもさることながら、拘束されていた場所がリッツカールトンだったという点。
このサウジ、リヤドのリッツカールトンは、先日ムハンマド皇太子主催による未来投資イニシアチブ(Future Investment Initiative /別名:砂漠のダボス会議)が行われた場所であるということ。
かたや華やかなパーティーが開かれる一方で、同じホテルのどこかの部屋は王子監禁用の牢屋として利用されてきたということ。
ここら辺の感覚は、さすがムハンマド皇太子だな、、、と感じるところです。
尋常じゃない感覚の持ち主だと思います。
とりあえずまだまだ色々ありそうなサウジ情勢。
今後も注視していくべきと思います。
以上。