アマゾンがオンライン薬局ピルパック買収 まずは医薬品販売に参入。今後はPBM(薬剤給付管理)や医療保険にも進出?
アマゾン、オンライン薬局のピルパック買収へ-医薬品分野に参入(Bloomberg)
じみにデカいニュースが飛び込んできました。
かねてより「Amazonの次の進出先はきっと薬局市場だろう」と言われていましたが、やっぱりそうなりました。
Amazon.comは医薬品のドラッグデリバリー業ピルパックを買収すると発表しました。
なおピルパックは非上場で、買収金額などはまだわかりません。
というより、俺はこの会社の名前を今まで聞いたこともありませんでした。どんな会社かも知りませんでした。
とりあえず、Pill Packのオフィシャルサイトを確認してみました。
・・・なかなかクールですね。
ピルパックから定期的に届くパッケージは、服用しやすいように必要な量ごとに小分け包装されていて、日付と日時も書いてある。
ようするに、サプリの小分けをピルパックにお任せできるんですね。
保険の管理などもピルパック側が当然おこなってくれるそうで、至れり尽くせり。
なるほど、これは普通にAmazon傘下に入らなくても成長しそうな気がします。
アマゾンは、かねてより医薬品業界に進出するのでは?と言われてきました。昨年10月にはアメリカの12の州で卸売許可を取得していることが判明。
この「アマゾンが医薬品事業に参入か?」のニュース以来、ヘルスケア関連企業は総弱気モード入り。まさにデス・バイ・アマゾン(Death by Amazon)を恐れる状況になりました。
その後、同社の医薬品事業参入は話はいったん立ち消えぎみになり「アマゾンも医薬品流通の複雑さにようやく気付いたらしい」などという解説をする人も出てきましたが・・・
いやはや、やっぱりアマゾンは医薬品流通を狙ってました。
とりあえず、今後起きそうなことを書いておきます。
- 傘下ホールフーズでの薬品販売
- PBM(薬剤給付管理/Pharmacy Benefit Manager)への参入
- 保険事業参入(特に医療、介護分野)
- アレクサやアマゾンダッシュボタンを利用した薬販売
- ジェネリック薬のPB化
そして、これによる影響を受ける銘柄は
- ドラッグストアのウォルグリーンブーツアライアンスWBA、CVS
- 薬剤給付管理(PBM)大手のエクスプレス・スクリプツ・ホールディングスESRX
- 保険のエトナAET、ユナイテッドヘルスUNH、アンセムANTM、シグナCI、ヒューマナHUM、センティーンCNC
- 医薬品卸業のマッケソンMCK、カーディナルヘルスCAH、アメリソースバーゲンABC
などなど。
いずれ定温物流やジェネリック薬の生産などにも乗り出しそうですが、今のところは一番おいしい保険事業と、その保険事業をするために優位にたつためのPBMが一番の影響を受けるんじゃないかと、個人的には思います。
なお、PBMに関しては以前の記事で触れてますので、よろしければそちらをごらんください。
とりあえず、アマゾンの歩いたあとにはぺんぺん草も生えない・・・そんな状況がまた繰り返されるのかもしれませんね(笑)