インディアブルズ・ハウジング・ファイナンス、デワン・ハウジング・ファイナンス、PNBハウジング・ファイナンス、LICハウジング・ファイナンスが下落~資金繰り問題再燃か
これまでも当ブログで伝えてきたとおり、インドのノンバンク住宅金融NBFCの問題が長引いています。
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10月はじめころにおきたIL&FS( Infrastructure Leasing and Financial Services Ltd/インフラストラクチャー・リーシング・アンド・フィナンシャル・サービシス・リミテッド)の債務不履行問題ですが、
その後、同様の経営モデルをとっていたインディアブルズ・ハウジング・ファイナンスINBF、デワン・ハウジング・ファイナンスDWNH、PNBハウジング・ファイナンスPNBH、LICハウジング・ファイナンスLICHの資金繰りが急速に悪化。
これら企業の調達金利は急上昇、株価もメタメタに売り込まれる事態になりました。
これを受けてモディ政権はインド準備銀行(中銀)に対し債務引き受けなどの要請をしたもようですが、中央銀行はこうした政府による中銀への介入を拒否。
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インド政府とインド準備銀行との対立が先鋭化してきています。
こうしたなか、インドのシュリーニバス企業相が国内ノンバンク住宅金融会社の資金調達モデルを疑問視する発言をしており、再度この問題にフォーカスがあたってきています。
DWNH デワン・ハウジング・ファイナンス
INBF インディアブルズ・ハウジング・ファイナンス
LICH LICハウジング・ファイナンス
PNBH PNBハウジング・ファイナンス
これらインドのノンバンク住宅金融各社が存続できるか否かは、ひとえに政府による匙加減ひとつにかかっています。
また、仮に存続できたにせよ、大幅な株式希薄化が待っている可能性もあり、そのことが株価の下押し圧力となっています。
インド政府としては来年の選挙に向けて必ず手を打ってくると思われます。
インドの住宅市場の低迷をモディ政権が許容するはずなく、中銀はいずれ独立性を失うでしょう。
とりあえず目先は、希薄化を懸念する売りのせめぎあいですが、そのつぎにはインドの通貨ルピーを巡る動きにも転じる可能性があります。
とりあえず、この問題はまだ始まったばかりであり、注視が必要だと思われます。
以上。