米中貿易協議は3月1日までに妥結するか?~米中協議の日程を確認~

米中貿易協議は3月1日までに妥結するか?~米中協議の日程を確認~

 

1月の相場を下支えした米中貿易協議の早期妥結期待ですが、ここにきて後退しつつあります。

今回は昨年から相場を揺るがしてきたこの通商問題について、主に昨年暮れあたりからの流れをみていきます。

まず時系列をおさらいしてみます。

 

米中貿易協議日程

2018年12月1日 米中首脳会談にて、90日間の協議継続を確認。米国側による追加関税導入は最終期限を3月1日まで延期。

2019年1月7~9 中国での次官級協議。次官級とは言え、中国側は王岐山、劉鶴副首相、易綱中銀総裁などの姿も確認され、かなり友好的な雰囲気を醸し出すことに注力。2024年までに対米黒字をゼロにするという提案があったとされる。

2019年1月30日 米国での閣僚級協議。中国側が大豆輸入拡大を約束。

2019年1月31日 劉鶴副首相とトランプ大統領による会談。トランプ大統領が習近平国家主席と会って話がしたいとコメント。(その後、最後に決めるのはオレだ、というtweet)

2019年2月7日 トランプ大統領が2月中の首脳会談実現はないと発表。

2019年2月11日 中国での次官級協議

2019年2月14日~ 中国での閣僚級協議(ムニューチン、ライトハイザーなど出席予定?)

2019年3月1日 交渉が妥結しなければ、米国側追加関税引き上げ予定

2019年3月5日 中国の方針を決定する全人代開催

 

 

米中貿易協議の日程を2月中に設定しないというのは本当か?

2月7日、トランプ大統領は2月中の首脳会談の実現には否定的な見解を示しています。

いまだに米中間の主張に隔たりがあることが理由とのことですが、米朝会談などの日程的な問題も絡んでいるということです。

しかし、それだと3月1日までに交渉を妥結しなければ追加関税導入となってしまいます。

以前から書いている通り、トランプ大統領としてはディールで済ませるのがシナリオだと思われます。

米中貿易交渉~トランプ大統領が「最後は自分が決める」と言ってる理由~

個人的には、あれこれと日程的な障害はありつつも、とりあえず再交渉は行われるとみています。

あくまでも追加関税は再交渉後、という方向ではないかと思われます。

 

 

米中貿易協議をめぐり、トランプ大統領は株価を揺らさない程度にはジャブを入れる可能性

以前も書いた通り、トランプ大統領の意識は株価の動向次第で変化します。

また、株価が下がるようなことはしたくない、というのがトランプ大統領の本音です。

国益よりも、株価です。

むしろ、株価こそ国益と考えてそうなふしがある。

とりあえず、マーケットにあまり影響を与えない範囲で、トランプ大統領は中国側の譲歩を引き出すためのジャブを繰り出すと思われます。

 

 

マーケットは米中貿易協議の妥結を織り込み済み

マーケットはすでに、米中貿易協議の妥結を織り込み済みだと思われます。

昨年クリスマス前後までに極端に株価が落ちた家庭では、FRBへの信頼感の欠如だけでなく、米中の覇権争いへの恐怖がありました。

しかし、年明け後は大きく株価が上昇。

この過程は、米中貿易協議の進展の過程とも重なっており、市場としてはもう、だいぶ楽観的な方向に振り子がふれていると思われます。

 

向こう数週間、期限までには振り子がやや逆向きに振れやすい展開だと思われます。

そこら辺を意識しながら、リスク管理をしっかりした方がいいと思われます。

 

関連:トランプ大統領の人物像とその分析・評価

 

以上です。