中国が外貨準備の金保有を拡大中~米国債保有高は減少中
中国が外貨準備に占める金保有高を拡大
中国人民銀行が発表したところによると、1月の外貨準備高は3兆0880億ドルで前月から152億ドル増加。
UPDATE 1-China Jan FX reserves rise more than expected to $3.088 …
増加幅は市場の予測をやや上振れ。
背景には米ドルに対して日本円建て資産などが上昇したことが影響しているとのことです。
ただ今回、これとは別の点で注目が集まっています。
中国人民銀行の金の準備資産保有高が前月比12トン多い1864トンとなったことです。
まだ最近始まった流れでしかありませんが、この二カ月連続して金の保有高が増えてきており、中国人民銀行の政策の変更を映している可能性が高いと思われます。
先日も書いた通り、ここもと中国含め、トルコ、ロシアなどの国々が、米国債の保有を減らして、金の保有を増やしています。
中国はここもとずっと米国債を売り越しです。
決して、売り崩すような売り方ではないのですが、米国債を売り続けています。
この背景には、人民元の下落を止めるために外貨準備を利用して人民元を買いざさえているからだ、という解説も聞こえます。
しかし、それだけではないのではないか、という疑念が広まってきています。
中国は米国との将来的な摩擦上昇を見越して、米国債での外貨準備保有を減らそうとしているのではないか、というものです。
そして、逆に中国の人民元を基軸通貨にしたいという野心もありますので、その裏付けとして現物資産の雄である金の保有を増やすのではないか、という思惑も見え隠れしています。
金は最強の無国籍通貨、米国債はデロス島においた引き出せないカネです。
デロス同盟がアテネの衆愚化と独善主義でポシャったのと同様に、米国を中心とした覇権も同じ運命をたどる可能性があります。
カネというのはそういう魔力がある。
また一時期、仮想通貨は最強の無国籍通貨などと言われてきましたが、まったくそんなことないことが、昨今の不祥事で明らかになっています。
仮想通貨取引所クアドリガCX(QuadrigaCX)創業者が急死!暗号キーを誰も知らず150億円相当が口座から引き出せない事態にwww
仮想通貨はバブルだった 18年2月4日
とりあえず、中国の外貨準備高に占める金の保有は増えていきそうです。
今後は、これが金の下支え要因になると思います。
まったくおいしい投資先とも思えませんが、とりあえず、そういったことを念頭に置いて行動してみても良いと思います。
以上です。