ファーウェイが米国政府を提訴へ~NDAA(国防権限法)第889条は憲法違反~
ファーウェイがNDAA(国防権限法)第889条(中国包囲条項)は憲法違反として提訴
米国政府は国土安全保障のため、NDAA(国防権限法)を制定しています。
この2019年度第889条はいわゆる中国包囲条項と言われるもので、中国製品のありとあらゆるものを排除、オミットするための根拠となる条項となっています。
⇒2019年度国防権限法(NDAA2019)における中国関連部分をみてみよう
中国の通信機器大手ファーウェイは、このNDAA(国防権限法)第889条を憲法違反だと主張。
米国政府を憲法違反のかどで提訴しました。
NDAA(国防権限法)を問題視して米国政府を提訴したファーウェイに勝ち目はあるか?
米国政府によるNDAA(国防権限法)第889条を問題視して提訴に踏み切ったファーウェイですが、果たしてこれは、ファーウェイに勝ち目があるんでしょうか?
ぶっちゃけていうと、ファーウェイ勝利の可能性は限りなくゼロだと思います。
というのも、以前同じような状況でロシアのセキュリティソフトウェア企業カスペルスキーが米政府を訴えたことがあります。
しかし、その時の判決では、カスペルスキー側の主張を退け、米政府がどこの製品を採用し、排除するかを決めるのは自由という判決になりました。(確かこんな内容だったと思います。要確認)
とりあえず、ファーウェイは米政府を訴えても米国で勝ち目はないと思います。
ではなぜ、ファーウェイは米政府を訴えるのでしょうか?
ファーウェイがNDAA(国防権限法)を問題視して米政府を訴える意味は、他国へのアピール
今回、ファーウェイはNDAA(国防権限法)を問題視して米政府を訴えました。
しかし、これには勝ち目がないとさきほど書きました。
ではなぜ、ファーウェイは訴えたのか?
それはたぶん、アメリカ以外の国々におけるファーウェイ製品排除の動きをけん制するためだと思われます。
およそ先進国とされる国であれば、法律は憲法の制約を受けねばなりません。
行政府のトップが鶴の一声であれこれ決めてはいけないのです。
そういった恣意的な運用がされるような法律では困るわけです。
ファーウェイとしては、
「もし中国製品だからという理由でファーウェイを排除するなら、その国の憲法に則って粛々と裁判をやるぞ」
という圧力なのだと思います。
どこの国でも、行政府が恣意的に権力を振りかざすことに対しては非常に嫌悪感があります。
今回のファーウェイ問題でも同様で、悪しき伝統を作りかねない状況にあります。
これを逆手にとって、ファーウェイは他の国々を脅しているのだと思います。
日本を含め、アメリカに言われたからという理由だけでファーウェイを排除しきてきた国は、今後憲法にどう一致させていくのか、色々大変でしょうね。
以上。