2019年度国防権限法(NDAA2019)における中国関連部分をみてみよう
2019年度国防権限法(The National Defense Authorization Act 2019/ NDAA2019)の中国関連部分について再度まとめてみる
2018年7月26日に可決成立した国防権限法(The National Defense Authorization Act / NDAA)について、主に中国に関する部分を再度見直してみます。
国防権限法(The National Defense Authorization Act / NDAA)とは?
国防権限法(NDAA)は翌年の国防予算の大枠と方針を決める大事な法律です。
2018年に成立した2019年度の国防権限法(NDAA2019)では、特に中国を戦略的に封じ込めねばならない対象として捉えています。
国防権限法(NDAA)は以下のサイトから全文をみることができます。
The National Defense Authorization Act / NDAA
2019年度の国防権限法(NDAA2019)はジョン・マケイン氏の名前を冠する
この2019年度国防権限法(NDAA)には、8月25日に亡くなったジョン・マケイン上院議員の名が付されています。
この法案を最後まで完成させて亡くなったジョン・マケイン上院議員。
軍事と外交の両面で非常に優れた知性をみせた彼らしく、隅々まで隙の無い、よくできた法案となっています。
上下両院とも超党派で可決されており、ジョン・マケイン上院議員の人望のあつさがよくわかります。
今回はこの国防権限法(NDAA)において、中国関連部分だけをみていきます。(他をみていたら数日がかりになってしまいます)
2019年度国防権限法(NDAA2019)の中国関連部分について
セクション1250あたりからインド洋太平洋全体に関して
セクション1260あたりから中国本国に関して書かれています。
とりあえず掻い摘んで書くと
- S1257~1258 台湾の防衛力を強化しよう。台湾旅行法で今後は高官レベルの交流がふえるよ。軍事訓練なんかもやろう。
- S1259 中国のRIMPACへの参加禁止!
- S1260 中国の産業スパイなどによる技術移転に注意しようぜ
- S1261 中国共産党がサイバー活動やハイブリッド戦術、メディア情報操作、文化的活動とかしてくるから注意しよう
- S1262 南シナ海における中国の活動に関する報告が必要
- S1266 インドと防衛・安保協力するにあたっての変更点とか
また別途、S889ではHuaweiとZTEについて言及
- HuaweiやZTEの製品を政府機関は使わないこと。
- これら企業の製品を使っている企業は米政府と取引できないこと。
などが書かれています。
2019年度国防権限法(NDAA2019)S889のHuaweiおよびZTE製品への言及は異様
国防権限法(NDAA)で企業名を挙げて、それも一般の企業の名前を挙げて警戒しているあたりに、この2019年度国防権限法(NDAA)の異質さがあります。
ここもといろいろと騒ぎになっているファーウェイショックですが、この国防権限法(NDAA)の延長線上の出来事というわけです。
ファーウェイショックが市場を襲う~米中首脳会談の当日にCFOを逮捕
華為技術(ファーウェイ/Huawei)の孟晩舟CFO(英語名Cathy Meng)、カナダで拘束される~対イラン制裁に違反か?
とりあえず、国防権限法(NDAA)を読むと米国の方向性がみえてきます。暇な時にでもどうぞごらんください。
以上です。