トランプ大統領、ムハンマド皇太子のサウジ記者殺害への関与を明確にせず
サウジ人ジャーナリストのジャマル・カショギ氏が在トルコサウジ領事館内で殺害された事件に絡み、疑惑の眼がサウジのムハンマド皇太子に向けられています。
各種メディア報道によると、米諜報機関CIAもこの件に関してムハンマド皇太子が首謀者であったと断定しているとされ
「ジャマル・カショギ氏殺害はムハンマド皇太子の指示」とCIAが報告
米国議会でもムハンマド皇太子、および彼を庇い続けるトランプ大統領を批判する声が噴出。
これに対しトランプ大統領は「20日になったらすべて明らかにする」と応じていました。
その期限である20日がやってきたわけですが・・・
トランプ大統領は、ムハンマド皇太子がジャマル・カショギ氏殺害に関与したのかしなかったのか、そこを明確にせず、ぼやかしました。
これは酷い。
まだ情報機関が分析を続けている最中だとし、
「ムハンマド皇太子は知っていたかもしれないし、しらなかったかもしれない。すべてを知っていたわけではないかもしれない。」
と、なんとも煮え切らない態度を示しています。
しかも、サウジとの経済関係の重要性、イランへの対応にサウジがどうしても必要なことなど、サウジに媚びへつらうような態度を示しており、なんとも情けないありさま。
個人的に、この説明は逆効果なんじゃないかと思います。
逆に、議会の批判に油をそそぐことになるのではないかと感じます。
ムハンマド皇太子への批判を強める米議会~とくにリンゼー・グラム上院議員
共和党上院の有力議員リンゼイ・グラムは一昨日(だったかな?)、
「ジャマル・カショギ氏殺害がムハンマド皇太子の関与なしに行われたとは考えられない」
「ムハンマド皇太子が国王に就任したらサウジの未来は暗い」
「サウジは重要なパートナーだが、ムハンマド皇太子となると話は別」
「ムハンマド皇太子は不合理かつ精神に異常がある人物」
「ムハンマド皇太子とふたたび仕事をするつもりはない。彼はアメリカとサウジの関係を壊そうとしている」
などと厳しい論調でムハンマド皇太子を非難。
No doubt MBS involved in Khashoggi murder order – US Senator … TRT
他にも、共和党上院ジェフ・フレイク議員などが
「アメリカは最終的にムハンマド皇太子がやったという事実に向き合うことになる」
「カショギ氏殺害はムハンマド皇太子が出していた」
「トランプ大統領がサウジを素晴らしい同盟国と定義したことに反対」
他にも数多くの議員がムハンマド皇太子を批判しており、制裁を科すべきと主張しています。
この状況でトランプ大統領がいつまでサウジを擁護しつづけていられるのか、はなはだ疑問です。
トランプ大統領はロシア制裁にも弱腰、サウジ制裁にも弱腰、ここにきて対中制裁でも弱腰姿勢を示しており、唯一制裁に前向きなのはイラン向けだけとなっています。
はたしてこの状況がずっと続くのかどうか・・・
とりあえず、個人的には正義が勝つと信じたいところです。
以上。