ドコモ端末購入サポートによるiPhoneXR値下げは「見せかけ値引き」ではないのか?

ドコモの端末購入サポートによるiPhoneXR値下げは「見せかけ値引き」ではないのか?

 

 

先日、このブログでも書きましたとおり

iPhoneXRを買うなら待つべし!もうすぐ値下げするとWSJが報じる

ドコモが今週になってiPhoneXRを値引きしました。

 

 

報道では大幅な値引きのように見せかけています。

ドコモ、iPhoneXR発売1カ月で値下げ 価格高く在庫増 日経新聞

上記記事によると

XRは3タイプあり、価格は9万8496~11万6640円。最も安い機種に従来の割引などを適用した場合の端末価格は3万9528円で、新たな割引を組み合わせるプランは2万5920円となる。

となっており、まるでiPhoneXRが7万円以上安くなるかのようにみえます。

 

 

しかし、このiPhoneXRの値引きには「端末購入サポート」というカラクリがあります。

 

 

具体的には、iPhoneXRに今回導入された端末購入サポートの適用を受けるためには、これまでの月々サポートの対象外になるということです。

具体的にいうと

月々サポート・・・対象端末を購入すると24か月間通信料金割引サービスを受けられる。24カ月間の割引額累計は58968円

端末購入サポート・・・12カ月のあいだ機種変更ができないかわりに、端末代金を58968円割引する

というもの。

 

つまり、

月々サポートも端末購入サポートも、iPhoneXRが58968円値引きされるのは同じこと

 

消費者側にとってはほとんど同じメリットしかないことをさもお得感があるかのように煽って販売しているのが今回のドコモのiPhoneXR値引きです。

今回、端末購入サポートによる部分を除いて実質的にiPhoneXRが値引きされる額は8000円ちょっとだけでしかありません。

もちろん、それでも値引きがされているのですが、それにしても謳い文句とは大きく異なる値引き率です。

 

 

 

 

 

端末購入サポートを利用したiPhoneXRの誇大値引きは景品表示法違反ではないのか?

これについて消費者庁はどう考えているのでしょうか?

不当景品類及び不当表示防止法 第五条の二 には、以下のように書かれています。

商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

 

今回のiPhoneXRの値引きは、これに違反していないんでしょうか?

 

 

 

端末購入サポートにしても月々サポートにしても、とにかく中身がわかりにくい

とにかく、この手の端末購入サポートだとか月々サポートみたいな通信料金に端末代金を混ぜ込んでくるやり方は複雑でわかりにくいと思います。

しかも名前だけ変えて、実質的に消費者にほとんどメリットのない変更が行われることが多々あることもよろしくない。

早急に改善するべきと思いますし、総務省もそうした指針を出しています。

しかし、まだまだ通信キャリア各社はこういった、なかば詐欺的な売り方を繰り返しているのが実情です。

 

 

端末購入サポートなどの複雑な契約がなくなったとき、iPhoneXRなどの高額端末は売れなくなるかも

現在総務省は、端末購入サポートなどのような複雑な契約体系を変更するよう通信キャリア側に指導しているといわれています。

これまで十万円をこえる端末でも、通信料金に端末代金が混ぜ込まれることで消費者側の負担感はさほど大きくありませんでした。

実質的に3万円程度で最新機種に買い換えられるならばお得感がある・・・として、高額な端末が売れてきましたが、これからはより端末価格が見えやすくなることで、消費者の財布のひもは固くなりそうです。

iPhoneが日本でこれだけ売れてきたのも、ドコモの端末購入サポートみたいな制度が他のキャリアでも行われてきたからです。

今後、こうした手法が消えていくに伴い、iPhoneの売り上げはますます落ちることが予想されます。

と同時に、デバイスの高度化も遅れるでしょう。

いろいろと影響の大きい制度変更、今後の動向には要注目です。