【7267】ホンダ(本田技研工業)2018年Q3決算・業績・株価

【7267】ホンダ(本田技研工業)2018年Q3決算・業績・株価

 

2輪車、4輪車大手のホンダ(本田技研工業)の2018年Q3決算を会社側資料を基にみていきます。

まずは短評から

 

ホンダ(本田技研工業)2018年Q3決算はネガティブ

3Qまでの累計業績でみると売上収益3.4%増、営業利益3.2%減とさほど深刻ではない。

が、問題は3Q単独の数字だろう。

前年3Q比較で大幅に業績を落としており、非常に懸念される状況。

 

 

 

ホンダ(本田技研工業)の2018年Q3決算・業績~税引き前利益増減要因

前年Q3と今年Q3の比較でみると

MIX差、販管費、研究開発費、為替、持分法利益、金融収益など総じて減少

コストダウン効果330億円のプラス要素がありつつも

営業利益で1144億円のマイナス

為替影響除く営業利益ベースでも724億円マイナス

税引き前利益ベースでは1199億円のマイナスとなっており、非常にネガティブ

 

 

ホンダ(本田技研工業)の2018年Q3決算・業績~利益の出ない4輪車事業

ホンダの4輪車事業は利益がほとんど出ていない。

タカタ問題などで和解金支払いのあった2017年Q2の営業利益1.5%をも下回る1.4%。

減益要因は台数変動及び構成差となっているが、より根本的な部分では、研究開発費や設備投資、原価にみあった価格設定ができていないことが影響しているはず。

 

 

 

 

ホンダ(本田技研工業)の2018年Q3決算・業績~2輪事業

ホンダの2輪事業は好調。

営業利益率は二桁をずっとキープしている。

新興国市場でしっかりと稼げるシステムが作り上げられている。

 

 

 

ホンダ(本田技研工業)の2018年Q3決算・業績~金融サービス事業

販売時のローンやレンタカー会社などに対するリース債権を扱う金融サービス事業は19.1%増益、10.7%の営業利益率を確保。

ただ、資産額は伸び続けており、何らかのきっかけでローンが焦げ付くような事態になれば、金融事業の損失発生+販売の減速で一気に経営に負のインパクトが来ることには注意が必要。

まだその状況ではないけれど。

 

 

ホンダ(本田技研工業)の2018年Q3決算・業績~地域別業績

ほぼ全地域で対前年比で大幅減益となっている。

とくに北米と日本市場の減益が痛い。

 

ホンダ(本田技研工業)の株価

ホンダの株価はこの決算を受けて大きく売られる展開

2019年2月4日の5分足株価

 

 

週足ではボックス圏推移

バリュエーション的に安いと思われがちなホンダ株だが、この調子で業績が推移するなら考えものだろう。

根本的な部分で、ビジネスモデルに危なっかしさがある。

とりあえず、本業の4輪事業は今後多くの技術的転換がやってくる。

その最大のものは、EV化だろう。

EV(電気自動車)に3000億ドル(約33兆円)投資~世界の自動車メーカーが今後5~10年で~

各社の設備投資額も大きさもさることながら、EV化による生産効率の向上にも目を向けるべきだと思われる。

ゼネラルモーターズ/GMが大リストラへ~電気自動車の普及が影響か

日本の自動車産業は今後いろいろヤバい~5~7年後には中国製の欧州ブランドEVが大量に輸入される可能性~

 

とりあえず、自動車の生産革命がおきつつあるように自分は思っている。

この調子で低い利益率のままでいれば、ホンダはいずれ傾く。

そうなる前に、大規模なリストラが必要なのではないか。

以上。

 

なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。

投資においては自己責任で行うようお願いいたします。