アピックヤマダと新川をシリコンサイクルが直撃~ヤマハ発動機の子会社化へ
ヤマハ発動機がアピックヤマダと新川を子会社化~シリコンサイクルで業績悪化中
目下、シリコンサイクルの直撃で半導体後工程分野の受注状況は蒸発してしまっています。
この影響で、急速に業績が悪化しているアピックヤマダと新川に対し、比較的体力のあるヤマハ発動機が子会社化すると発表がありました。
「今回のシリコンサイクルはスーパーサイクルだから、ずっと半導体製造装置需要はなくならない」
などという金融業界の甘言に乗ってしまった勢力が消え去ることになります。
今回はこの件についてみていきましょう。
シリコンサイクルの直撃を受けた半導体後工程~アピックヤマダと新川、ヤマハ発動機
アピックヤマダも新川もヤマハ発動機も、それぞれ半導体生産の後工程といわれる部分を担う企業です。
後工程というのは、簡単に言ってしまえば、回路が刻み込まれたあとの半導体を切り離して、リードフレームとくっつけて、封止して、リード成型する工程です。
このうち、
アピックヤマダは封止装置を作っています。
簡単に言ってしまうと、包み込む奴です。
ヤマハ発動機はチップマウンタ(ヤマハ発動機はサーフェスマウンタと呼んでいますが)をやっています。
簡単に言ってしまうと、置くだけ番長です。
新川はフリップチップ用のチップボンダを作っています。
簡単に言ってしまうと、他と接続する奴です。
ヤマハ発動機にとっては、自社の前後の企業を買収したことになります。
アピックヤマダや新川と異なり、ヤマハ発動機は産機・ロボ部門は好調を持続~シリコンサイクルの影響を免れている状況
これは、自分も意外だったのですが、ヤマハ発動機の直近決算内容をみてみたところ、同社の産業用機械・ロボット事業はしっかり増収増益。
前四半期からもちゃんと利益を積み上げていて、しっかり利益を稼げています。
セグメント資産51134百万円に対して、2018年通期の営業利益は16440百万円。
かなり資産効率のいいビジネスを展開しており、一言で言って、素晴らしい。
このシリコンサイクルの下降局面でもしっかりと利益を上げることができており、それゆえ、アピックヤマダと新川の子会社化の余裕があったのでしょう。
ぶっちゃけ、ヤマハ発動機ってチップマウンターの業界では最大手クラスではなかったと思うのですが、何かいい機種でも開発できたんでしょうか?
とりあえず、今後はヤマハ発動機がどのようにして新川とアピックヤマダを再生していくのかに視点が移ります。
うまく統合できたなら、悪くないコンビネーションにみえます。
以上です。