新車への先進緊急ブレーキシステム(AEBS/ 衝突被害軽減ブレーキ)の搭載義務化へ
新車へのAEBS(先進緊急ブレーキシステム/衝突被害軽減ブレーキ)の搭載義務化へ
国連欧州経済委員会(ECE)によりますと、日欧など40か国は2020年からのAEBS(先進緊急ブレーキシステム)の新車への導入で合意したとのことです。
AEBS(先進緊急ブレーキシステム)は走行中にCMOSカメラやミリ波レーダーなどによって周囲を走行する自動車や障害物を検知。
危険が迫った場合には車両を止めたり、よけたり、シートベルトを引き上げたりするなどして乗客の安全を図るためのシステムです。
2000年代から導入され始めたこのAEBS(先進緊急ブレーキシステム/衝突被害軽減ブレーキ)ですが、安全性確保において有効性が高いこと、またコストも低減しているとのことで本格的に義務付けられることになりました。
今回はこのAEBS(先進緊急ブレーキシステム/衝突被害軽減ブレーキ)についてみていきます。
AEBS(Advanced Emergency Braking System/ 先進緊急ブレーキシステム/衝突被害軽減ブレーキ)とは?
AEBSはAdvanced Emergency Braking Systemの略。
AEBSは先進緊急ブレーキシステムとも訳されていますが、日本でもおなじみの衝突被害軽減ブレーキと同じようなものと考えて良いと思います。
前方や周辺の車両をレーダーやカメラで感知。
ブレーキングや警報、自動で避けるなどのハンドリング制御を自動で行うほか、シートベルトを巻き上げるなど乗客の安全を高める制御を行います。
これにより、低速走行時の衝突は38%減少。
EU域内では年間1000人の人命を救うことができるだろうとしています。
先進緊急ブレーキシステム(AEBS)の搭載義務化で対象になる車両数は?
先進緊急ブレーキシステム(AEBS)の搭載が2020年から義務化されますが、この規制の対象になる車両数は欧州で1500万台、日本で400万台と、かなりの数に上っています。
なお、日本ではすでに7割超の自動車にこうした先進緊急ブレーキシステム(AEBS)、衝突安全装置などが導入されていますが、欧州ではまだ3割程度の模様。
かなりの数が対象になるとみられ、特需が期待される状況となっています。
先進緊急ブレーキシステム(AEBS)の義務化を見送った中米ロ印
今回、米国、中国、ロシア、インドなどの国々は先進緊急ブレーキシステム(AEBS)の義務化を見送ったとのことです。
これにより、世界最大の自動車市場である中国と米国が抜け落ちることになり、需要としては総計4000万台以上が先進緊急ブレーキシステム(AEBS)義務化から外れます。
日欧が合わせても2000万台程度なので、4000万台を逃したのはもったいないわけですが、しかし、逆を言えばまだそれだけ需要はあるということ。
先進緊急ブレーキシステム(AEBS)およびその構成部品の市場は、まだまだ伸びしろの大きい市場となっています。
先進緊急ブレーキシステム(AEBS)に限らず、自動車の電装化はどんどん進む
とりあえず、先進緊急ブレーキシステム(AEBS)は自動車の電装化のひとつの表れ。
電気自動車や自動運転技術だけでなく、多種多様な部分で自動車の電装化が進みます。
ここもと発表された日本企業のQ3決算などからもこうした自動車の電装化の影響がみてとれ、この分野は日本企業の数少ない伸びしろのある市場となっています。
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以上。