GoogleがTAC(Traffic Acquisition Costs/トラフィック獲得コスト)引き下げをめざし廉価版Pixelを大量投入か
Googleがハード事業を強化へ~TAC(Traffic Acquisition Costs/トラフィック獲得コスト)の引き下げを目指す
Googleがハード事業を強化し、同社製スマートフォンのPixelの廉価版を大量投入するのではないか、と伝えられています。
この背景に、同社が外部企業に支払うトラフィック獲得コストを引き下げる狙いがあります。
Google plans cheaper smartphone to draw users into internet empire
TAC(Traffic Acquisition Costs/トラフィック獲得コスト)とは?
TAC(Traffic Acquisition Costs/トラフィック獲得コスト)は、GoogleなどのITプラットフォーム企業が、ネットワークトラフィックを獲得するためにアフィリエイター、パブリッシャー、サードパーティ検索エンジン、その他パートナー企業などに支払うコストのことです。
たとえばこのサイトでいうと、Googleのアドセンス広告を載せています。
読者の皆様がこれら広告をクリックしていただくと、まずはGoogleが広告会社から広告費を得ることになります。
その後、広告費の一部をGoogleはオイラの口座に送るわけですが、これがTAC(Traffic Acquisition Costs/トラフィック獲得コスト)です。
スマホメーカーや通信企業にもTAC(Traffic Acquisition Costs/トラフィック獲得コスト)を支払っているGoogle
また、こうしたアフィリエイト広告だけでなく、たとえばGoogleの検索エンジンを利用しているYahooやFirefox、Appleなども広告獲得においてGoogle側と利益の配分をおこないます。
それらもTAC(Traffic Acquisition Costs/トラフィック獲得コスト)として扱われるわけです。
さらには、通信企業にもGoogleはTAC(Traffic Acquisition Costs/トラフィック獲得コスト)を支払っていると言われていますが、このあたりの配分がどの程度なのかはよくわかりません。
スマホメーカーにもTAC(Traffic Acquisition Costs/トラフィック獲得コスト)を払っているGoogle
さらに、Googleはスマホメーカーに対しても、TAC(Traffic Acquisition Costs/トラフィック獲得コスト)を支払っているようです。
スマホメーカーがGoogleの検索エンジンなどをプリインストールしたり、初期設定したりする代わりに、スマホメーカーにGoogleはTAC(Traffic Acquisition Costs/トラフィック獲得コスト)を支払っているようで、それらのコストが馬鹿にならない状態になってきています。
今回Googleがスマートフォン端末Pixelの廉価版を大量に市場に流そうとしている背景には、このTAC(Traffic Acquisition Costs/トラフィック獲得コスト)の問題がある、ということになります。
たんなるiOSとのシェア争いとかではありません。
廉価版Pixelの大量投入で先々のTAC(Traffic Acquisition Costs/トラフィック獲得コスト)の低減をめざすGoogle
Googleは2018年に台湾のHTCからスマートフォン端末事業を買収しました。
これは、高い買い物だと多くの関係者から叩かれました。
たしかにそうです。
実際、HTCの業績は利益ベースで数年前の10分の1レベルまで落ち込んでおり、落ち目、死に体の企業です。
そんな企業の買収にカネを使うなんて、という意見もあります。
しかし、Googleはそれでもなお、コストを垂れ流しながらでもいいので、安い端末をガンガン流すための拠点として、このHTCを利用しようと考えています。
今のところ、企業向けのスマートフォンとしてPixelを販売していますが、これは市場シェアの2%程度しか取れていないと言われています。
価格はそこそこ高く、ぶっちゃけあまり魅力的な端末ではありません。
GoogleはHTCを2018年に買収したばかりですので、いま出ている端末は当時の関係者のアイデアをつめたものなのでしょう。
本格的に攻勢に出るのは2019年後半から、という意気込みのようです。
GoogleのTAC(Traffic Acquisition Costs/トラフィック獲得コスト)目当ての安売り販売は、低価格スマートフォン市場に影響大
思うに、Googleが低価格スマホを販売するのは、端末で利益を得るためのものではありません。
もしかすると、スマホ市場に対してかなり破壊的な影響を持つのではないか、という気がしています。
まだ戦略の一端しかみえていませんが、ちょっと注視してみていく必要があるのではないか、という気がしています。
【GOOGL】Google(グーグル)親会社アルファベット2018年Q4決算・業績・株価
以上です。