【8909】シノケン・グループの業績と株価~2018Q4決算~

【8909】シノケン・グループの業績と株価~2018Q4決算~

 

投資用アパート・マンションの建設と販売が主力事業のシノケン・グループの2018年Q4決算についてみていきます。

なお、シノケングループの事業内容、以前の業績などに関しては下記を参考にしてください。

【頭金ゼロ】シノケングループの業績と株価をみてみよう【週刊新潮】

 


シノケン・グループの2018年Q4決算・業績

シノケン・グループの2018年Q4業績は売上高増、営業利益が8.3%減となっています。

同業他社における不正融資問題などの影響を受け、地銀や信金などにおける不動産融資への締め付けが厳しくなっており、シノケン・グループもその余波を受けています。

 

 

シノケン・グループのセグメント別業績

上が前年、下が当年です。

不動産販売事業の営業利益が大きく減少しているのがわかります。

なお、この数字は通年累計ですので四半期ベース、半期ベースに直してみますと

まず半期ベースでは 前年⇒今年

不動産販売事業の営業利益 57.7億円 ⇒ 37.7億円

四半期ベースでは 前年⇒今年

不動産販売事業の営業利益 33.5億円 ⇒ 18.2億円

となっており利益の落ち込みは半期ベースよりも四半期ベースの方が大きい

65.3% ⇒ 54.3%

であることがわかります。

つまり、シノケングループの不動産販売事業はいまだ悪化中ということであり、同業他社の悪事の影響とはいえ、深刻な影響を被っていることは確かと言えそうです。

(なお、同業他社がやっていて、同社がまったくそういったことをしていなかったかどうかは、個人的にはわかりません。提携ローンというものの存在が、ややひっかかる部分はあります。)

 

シノケン・グループの業績と経営計画

というわけで、シノケン・グループは今後、不動産販売事業はもちろん主力として残しつつ、不動産管理事業や管理アパートへのLPガス供給、電力供給、介護ビジネスなどストック型ビジネスの比率を高めて生きたいとのことです。

こうした事業は確かに成長してきており、これが同社の営業利益の35%程度を占めるようになってきており、一定程度の業績安定感をもたらしています。

しかし、そうはいっても残り65%程度は不動産販売業が中心であり、完全に不動産市況の影響を避けられる立場にあるか?というとそれは違います。

フローのビジネスを重視するといっても、不動産販売が伸びなければ管理物件も伸びにくいですので、おのずと収益・利益の天井には限界が見える可能性もあります。

とりあえず、不動産市況次第というのは間違いありません。

 

 

シノケン・グループの株価

この決算を受け、シノケン・グループの株価は朝方寄り付きこそ弱めに始まりましたが、悪材料出尽くしとして上昇に転じ、この記事を書いている10時半現在、前営業日比10%を超える水準となっています。

 

シノケン・グループの株価見通し

とりあえず、シノケン・グループの株式のバリュエーションは、数字だけを見れば非常に割安にみえます。

現状の株価は、同業他社で起きた問題にシノケン・グループがどう対処できるか、どの程度の影響を被っているかを不安に思われて下げている部分が大きいように思います。

そういった不安は、今回の決算で一定程度払しょくできたのではないか、と思われます。

少なくとも赤字転落はしていませんし、減益と言っても半減まではいっていません。

今後も一定程度の業績下押し圧力はかかり続けますが、最悪のセンチメントを脱したことで、株価にはポジティブな影響があると自分は思っています。

目先は直近の戻り高値を抜けるかどうか。

抜けなければ、直近下値とのボックス圏で長期の推移となるのではないか、という風にみています。

 

なお、上記は当然のごとく個人的な見解です。

投資を勧誘するものではありません。

投資にあたっては自己責任で行うようお願いいたします。

責任は負いかねます。

以上。