国内粗鋼生産が大幅減~高炉トラブル深刻化
新日鉄住金、JFEともに高炉トラブル
ここもと、国内粗鋼生産量が非常に落ちています。
日本鉄鋼連盟が発表したところによると、1月の粗鋼生産量は前年比9.8%減の814万トン。
前年割れは5カ月連続となっています。
この背景に、1月はJFEの国内3つの高炉
- 西日本製鉄所倉敷地区
- 西日本製鉄所福山地区
- 東日本製鉄所千葉地区
でのトラブルが響いたとのこと。
また新日鉄もここもと昨年あたりから和歌山製鉄所と大分製鉄所で相次いでトラブルにみまわれており、ここにきて老朽化問題がのしかかってきています。
高炉トラブルは、じつはずっと以前の決算からじみに表れてきている
実のところを言うと、高炉トラブルの影響は、じつは今に始まったものではありません。
期初の計画未達はしょっちゅう起こってきており、この背景には高炉トラブルが隠れていたのは間違いありませんでした。
下は当ブログの4月28日の記事です。
新日鉄の決算資料をみるなかで、なんとも違和感のある数字に気づきました。
⇒決算資料をよくみてみよう~新日鉄住金のばあい~あれれ?生産トラブル??~
同社はこれについて詳しい解説をしていませんでしたが、長年決算を追っていれば気づくはずです。
「あ、新日鉄は黙ってるけど、こりゃ高炉トラブルおきてるな」
と感じるはずです。
これに気づいた人たちは、新日鉄に耐火煉瓦を納入している黒崎播磨を買いました。
18/6/6午後 耐火レンガ大手・黒崎播磨が最高値更新 新日鉄住金が高炉大規模修繕?
なお、JFEのほうは品川白煉瓦、現在品川リフラクトリーズという社名になっていますが、そこが耐火煉瓦を納入しています。
高炉トラブルで大規模修繕コストは慢性化へ
とりあえず、ここもとの動きをみていると、高炉トラブルは単純に設備の老朽化に起因するものであり、人為的なものではなさそうです。
今後もこうした傾向は続きそうであり、EBITDAだけでは事業の稼げかたをみえない状況になりそうです。
新日鉄やJFEなど、鉄鋼、素材系への投資を行おうと考えている人は、こういった状況も把握しておいた方が良いと思われます。
以上。