【8114】デサントの業績・決算と株価~伊藤忠のTOBで株価は相当割高感

【8114】デサントの業績・決算と株価

今回は、大手スポーツ用品メーカーのデサントについてみていきます。

デサントは目下、伊藤忠商事と経営権を巡って争っています。

第二位株主に中国のアンタ・スポーツ・プロダクツ(安踏体育用品)が浮上するなど、さまざまな思惑のなかにあります。

【2020.HK】アンタ・スポーツ・プロダクツ(安踏体育用品)~業績と決算・株価~デサントの第2位株主

とりあえず、まずはデサントの事業内容からみていきましょう。




 


デサントの事業内容

デサントは大阪市天王寺区にある、スポーツウェアの大手企業です。

おもに、野球、ゴルフ、サッカー、水泳、スキー用などのウェアに定評があり、日本だけでなく、韓国、中国などに進出しています。

社名のデサント(Descente)にも表れているとおり、スキー滑降を中心にしたウェアの開発が得意な会社でした。

 

デサントの傘下ブランド

デサントのブランドは以下の通りです。

デサント

ルコックスポルティフ

アンブロ

アリーナ

水沢ダウン

 

 

デサントの経営権を巡る対立

デサントの経営権を巡っては、創業家出身の現社長と、筆頭株主の伊藤忠商事の間で争われています。

取締役会人事にも違いがあるとのことで、経営を巡る混乱が広がっています。

 


 

デサントの2018年Q3業績

 

デサントの業績は、売上は伸びていますが利益がいまいちパッとしません。

 

 

 

デサントの業績~地域別

デサントの業績を地域別にみると、売上は各地域でさほど悪い動きをしているわけではないことがわかります。

 

 

 

 

デサントの業績~ブランド別

また、ブランド別にみても、デサントの業績はさほど悪くなさそうにみえます。

 

 

デサントの業績~日本事業の利益率が低下

デサントの業績を地域別に見てみると、日本事業の利益率が落ちていることがわかります。

欧米事業はもとより赤字として、実質的にしっかり稼げているのが韓国事業を始めとしたアジア事業のみという状況。

利益段階で業績がよくないということは、コストの問題でしょう。

つまるところ、人件費増加に耐えられない構造に見えます。

リストラが必要でしょう。

 

デサントの直近5期業績と人員数の推移~リストラは必須ではないか

こちらはデサントの有価証券報告書です。

直近5期通期分の業績推移がわかります。

2017年3月期より、デサントは販売職スタッフを正社員登用しました。

そのことにより、固定費が増加しているように見えます。

売上は2016年3月期より2018年3月期の方が大きく上回っていますが、利益は2016年3月期の方が大きく上回っています。

正社員登用した意味がみえてきません。

コストが増加して、株主の利益が削られてしまっています。

もちろん、他の要素なども絡んでいるでしょうから、詳しくはより詳細に見ていく必要がありますが、ざっくりみただけでは、あまりいい経営判断だったようにはみえません。

石本雅敏社長就任から業績はずいぶん良くなりましたが、ただちょっと、ここのところは上手く噛みあっていないように見えます。

幹部の入れ替えでもしたのでしょうか。

 

デサントの株価

デサントの株価は、伊藤忠と経営陣との対立でTOB価格が跳ね上がっており、そのプレミアムが乗った状態といえます。

フェアバリューからはかなり上方に放れた状態にみえます。

もし自分がここの株を持っているなら、すなおにTOBで高くなっている現時点で売っておしまいにしますね。

 

というわけで、おしまいです。

なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。

投資にあたっては自己責任で行うようお願いいたします。

以上。