三菱UFJ銀行の「自治体指定金融機関辞退」の決断を称賛したい
三菱UFJ銀行が「自治体指定金融機関」を辞退
少し前のことになりますが、以下のようなニュースが流れました。
一応、主要各紙で取り上げられたニュースなのですが、気にしている人は金融機関関係者か、公務員の上級職の一部だけだろうと思います。
そのくらい一般人には興味のないニュースだと思います。
ですが、これ、自分的には結構大事なニュースです。
「自治体指定金融機関」とはなにか
ここで、「自治体指定金融機関」についてザックリと解説しておきます。
「自治体指定金融機関」というのは、簡単に言ってしまえば、
自治体から公金収納や支払いなどの事務を受託した金融機関
ということになります。
日頃みなさんが自治体から税きにゃ保険料、保育料などの支払いを要求されたときや、税金の還付などを受ける時に利用する金融機関のことです。
直接銀行に行くこともありますし、コンビニや収納代行業者があいだに入ることもありますし、他の銀行があいだに入る場合もありますが、とりあえず、自治体側の窓口となる銀行、と考えておけばOKです。
これを三菱URJは辞退すると言ったわけです。
なぜ三菱UFJ銀行は「自治体指定金融機関」を辞退したのか?
なぜ三菱UFJ銀行は「自治体指定金融機関」を辞退したのでしょうか?
簡単に言ってしまえば、
「儲からないから」
ということになります。
これまでは公共のことを考えて、儲からない事業だけれど一応やってあげよう・・・という感じで「自治体指定金融機関」になってあげていたけれど、さすがに今後はやめておきたい・・・ということです。
この背景には二つの要因があります。
まず一つは公金を預かることで運用益を今までは得られていたが、それが低金利で得られないので公金を引き受けたくない、という理由。
もう一つは、これが非常に重要だと思うのですが、株主利益に反することはできない、という理由です。
「自治体指定金融機関」になることで赤字垂れ流しをするのは株主価値の毀損である
なんでもそうですが、
「公共のために必要」
という一言で、民間企業に損をさせる事業を行うのは、企業統治の観点から見て好ましいことではありません。
そうしたやり方は中国のような開発独裁国家がやることであり、およそ資本主義国、自由主義国を標榜する国のやるべきことじゃない。
今回、自分が非常に良いことだと思うのは、三菱UFJ側は自治体側に対して行員派遣費用1500万円と、口座振替手数料1件あたり10円を請求したということ。
ちゃんとコストは負担してくださいね、と自治体側にしっかり言ったことです。
今までこれは三菱UFJ銀行側が負担していました。
つまり、三菱UFJ銀行の株主が最終的には負担していたわけです。
これは、特定の顧客に対しての利益誘導であり、背任行為にもあたること。
それをやめると決めた三菱UFJ銀行は、あたりまえではありますが、偉いと思うわけです。
ちゃんと株主のことを考える、当然の行動ですね。
三菱UFJ銀行の自治体指定金融機関辞退と同様に、JR各社も国や地方自治体にモノを言えるか?
自分はかねてより、日本の企業統治がどの程度まで改善したかを測るのに、JR各社の経営判断をみています。
JR各社が地方自治体や日本国政府の言いなりにならず、自主的に利益の極大化を目指せるかどうか、そこをみています。
たとえば震災や洪水などで線路が壊れた。。。
そうしたときに、以前のJR各社は自前の費用で復旧させました。
しかし近年は、自治体側にも必要なコストを提示し、負担が得られなければ、バスに転換したりしています。
でも、これでも不十分です。
バスの費用をわざわざJRが負担するのですから。
本当にJRの企業統治がしっかりされたときには、資本コストに見合わない鉄道路線はすべて廃線すべきなのです。
日本中の線路があちこち廃線されてこそ、日本の企業統治が成功したといえると思います。
災害復旧にJRのカネを使うなんて以ての外。
バス便への転換をしてJRが運航するなんてのも以ての外。
都市部や特急収入で地方路線を維持するなんて論外であり、株主への背任行為じゃないかと思います。
こういった経営判断の妥当性を巡って株主はJR各社の経営陣を訴えてみないのはなぜか。なぜやらないのか。
ためしにやってみたら面白いんじゃね?と思います。
判例も積み上がるし、面白いんじゃないかと思うんですよ。
裁判の過程であらぬ方向(社会主義的な方向)に国家が向かうかもしれないけど、それを直す時には結局自由経済の方向になるんじゃないかな?と思います。
(なお、中卒くんは人前に出るのが嫌いなので、F-14並みに遠くからチクチク言うだけにしておきます。AIM-54 フェニックス並みに実用性に乏しいことを言うようにしてます。)
とりあえず、中卒くんが偉そうに語るブログらしくなったところで、今回の記事は終わりにします。
以上です。