ボーイング737MAX墜落事故は『MCAS(エムキャス)』に問題か?
『MCAS(エムキャス)』とは?
エチオピア航空のボーイング737MAX8型機が墜落した事故、および昨年10月のインドネシア・ライオン航空の同型機が墜落した事故について、新制御システム『MCAS』のソフトウェア不具合のせいではないか?という声が上がっているそうです。
この『MCAS(エムキャス)』というのは、ボーイング737MAXで新しく導入されたシステムとのこと。
翼の迎角をセンサーで診断し、空気の流れに対して極端に大きな迎角にならないように自動で機体の傾きを前傾に調整。
失速を防いで飛行の安定性を高めるために導入されたシステムということです。
しかし、何らかの理由でこれが今回の二件の墜落事件に繋がるような誤作動をおこしたのではないか?とみられています。
ボーイング737MAX墜落事故問題を受け、『MCAS』の承認を急いだFAA(連邦航空局)の責任に焦点が移ってきています
この新制御システム『MCAS』ですが、ボーイング737MAX型機であたらしく導入されたシステムとのことです。
通常、新しいシステムの導入には審査にかなりの長い時間があてられるとのことです。
しかし、どうもこの認可手続きが杜撰に行われたのではないか、拙速に安全性を判断してしまったのではないか、という声が米運輸当局などのなかで上がっているようです。
(これを受けて、トランプ大統領もソフトウェアの問題を示唆するようなtweetをしています。)
航空機の認可作業は運輸省傘下のFAA(連邦航空局)が行うわけですが、ウォールストリートジャーナルによると、運輸省はFAAの認可手続きの問題点ついて独自に調査を行っているということです。
US Transportation Department probes FAA approval of 737 MAX – WSJ
新制御システム『MCAS』の審査問題がFAA(連邦航空局)とボーイングの癒着問題に波及か?
周知の事実として、ボーイングは歴代政権の上層部や、行政機関(FAAや運輸省、国防省)などと長年にわたって交換人事を行ってきました。
これはアメリカでは珍しいことではなく、たとえばエネルギー省にもエクソンやシェブロン関係者はいますし、その逆に民間企業にも当該監督官庁との人事交流はあります。
しかし、今回のボーイング737MAX8型機墜落事故、および新制御システム『MCAS』の審査問題は、こうした人事交流が諸悪の根源なのではないか?という疑念を浮かばせる可能性が出てきています。
今回の問題がどの程度で幕引きされるかわかりませんが、もし仮にこうした産官学の密接なつながりにまでメスが入ると、いろいろとアメリカの強みとしている部分が崩れる可能性もあります。
そういった部分には注意が必要です。
以上。