マッテオ・サルヴィーニ伊副首相について~ブレグジット交渉延期に拒否姿勢を示す北部同盟党首

マッテオ・サルヴィーニ伊副首相、英国のEU離脱延期拒否を示唆

 

マッテオ・サルヴィーニ副首相、ブレグジット延期を拒否か?

イタリアの北部地域を地盤とした右翼政党『同盟(旧北部同盟)』の党首マッテオ・サルヴィーニ副首相(Matteo Salvini )が、

英国のEU離脱延期に対して拒否する姿勢を示しています。

これは、強硬なBREXIT論者でEU懐疑派であるナイジェル・ファラージ英独立党党首が仕掛けているもののようです。

Italy to BLOCK Brexit delay: Salvini plans eurosceptic favour to Farage … Express.co.uk

Eurocrat: Farage Working with Italy’s Salvini to Block Brexit Delay Breitbart

 

マッテオ・サルヴィーニが邪魔するのは何となく予想されていた・・・

個人的には、やっぱりこうなったよねwww

という感じがしています。

自分は以前、こちらの記事で以下のように指摘していました。

BREXIT/ブレグジット問題、メイ首相が離脱期日延期を容認だが・・・リスクはあるよねって話

多くの人は期日延期されるとみてきました。しかし、個人的にこれは危険ではないかとみています。まず、英国議会に関しては、どうにかして延期への賛同を集めることはできるかもしれません。ただ問題は欧州議会で、一部の国は、協調的な政治を拒むような連中がいます。特にイタリアあたりが危険にかんじます。混乱を喜ぶような政治家がトップについています。その点については、十分に気を付けた方がいいんじゃないか。欧州議会がまとまらずに否決される事態もあるんじゃないかとみています。EUの決まり上、一か国でも反対したら、交渉期限延期はできません。もしそうなれば、本格的なハードブレグジットです。個人的にはその可能性もあるんじゃないかとみています。

 

どや!www

あたった!w

https://twitter.com/chu_sotu/status/1107596836724850689

 

 

マッテオ・サルヴィーニと北部同盟

マッテオ・サルヴィーニは、元「北部同盟」の党首です。

北部同盟というのは、イタリアでも豊かな地域である北部地域(おもにポー川流域)だけ独立しようという主張(パダーニャ・ナショナリズム)の政党です。

イタリアは北部の金持ち連中と、南部の貧乏地域で成り立っています。

簡単にイメージしてもらうとすると、映画祭で有名なベネチアとか、ファッションで有名なミラノが北で、

マフィアが横行しているシチリアや、ごみ収集が滞ってゴキブリやネズミが大発生したナポリなどが南です。

わかりやすいですね。

 

ながらく、北部の金持ち金融都市・工業都市から集めたカネを南部に投下して共和国体制を維持してきましたが、これをやめて北部だけ独立しようと主張したのが、北部同盟のマッテオ・サルヴィーニです。

 

マッテオ・サルヴィーニとは?

マッテオ・サルヴィーニは北部の豊かな地域、ロンバルディア州で生まれました。

父は実業家、母は家政婦だったそうです。

豊かな父親のもと、ミラノ大学に通わせてもらいましたが、政治活動のほうに興味を持ち学位取得前に大学を離れたとのことです。

その後は新左翼団体に所属して国家解体論などに傾倒するとともに、ウンベルト・ボッシのロンバルディア同盟に接近。

ロンバルディア同盟が北部同盟に再編された際にマッテオ・サルヴィーニも移り、パダーニャ・ナショナリズムを主張するとともに、北部同盟内で頭角を現しました。

 

マッテオ・サルヴィーニと「同盟」

その後、イタリアのEU参加とともに、北部同盟は本来の「イタリアからの北部のみの離脱/パダーニャ・ナショナリズム」を掲げる意義が薄れました。

そうこうしているうちにウンベルト・ボッシに党資金の横領疑惑が浮上。

党首を争ったマッテオ・サルヴィーニはボッシを破って同盟トップとなります。

同時に、北部同盟の本来の意思であるパダーニャ・ナショナリズムを放棄、EUからイタリアを独立させること(バスタ・ユーロ)を目標に、全イタリアを代表する政党になるよう活動を活発化させることになりました。

このころから?北部同盟から北部がいつからか消え、「同盟」と呼ばれるように。

今では、ユーロへの懐疑派政党の最右翼として、欧州内部の獅子身中の虫となっています。

 

 

マッテオ・サルヴィーニはブレグジット延期に強硬に反対する可能性も・・・

とりあえず、メインシナリオとしては、マッテオ・サルヴィーニがあれこれ騒いでも、コンテ首相が取り合わずにブレグジット延期にOKを出すことです。

しかし、これをするとイタリアの政局が荒れる可能性があります。

現在、同盟と五つ星運動では、同盟の方が圧倒的に優勢です。

総選挙になれば同盟の勝利になりかねない。

同盟のマッテオ・サルヴィーニとしては、この状況で五つ星運動と対立点を明確にして争うメリットはそれなりにあります。

争点の一つはBREXITの延期問題。

サブシナリオとして、そうした方向からブレグジット交渉が難航する可能性も、十分に見ておくべきと思います。

以上。