トルコ駐留の米軍兵士が白人至上主義者グループIdentity Evropaに関与か
トルコがIdentity Evropaに強圧姿勢を示す
US military members linked to white nationalist group: report
トルコのIncirlik空軍基地に所属している米軍兵士が、過激な白人至上主義組織Identity Evropaに関与している疑いで調査されているとのことです。
容疑をかけられているのは2人が海兵隊員、1人が軍医、1人が空軍隊員、2人の士官候補生。
この人物たちは、ナチズムを信奉するような書き込みをチャットログに残していたとのこと。
独立系メディアのUnicorn Riotがこの完全な内容を先週公開したことで、たくさんのグループメンバーが明かされたとのことです。
このIdentity Evropaのチャットログのなかには、黒人のアメリカ人やユダヤ人に対する人種差別的なものもあったとのこと。
また、ナチズムやホロコーストをジョークにしたりした例などもあったとのことです。
NZにおけるムスリムへの憎悪殺人を受け、Identity Evropaなどへの締め付けを強化か
NZのクライストチャーチで起きたイスラム教徒への憎悪殺人事件を受けて、イスラム教世俗国家のトルコ国内では非常に怒りが沸き上がっているとのこと。
そうしたナショナリズムが高揚している状況において、政府がナチズムや人種差別主義者たちを排除する姿勢をみせることで、支持拡大を狙っている可能性があります。
昨今、トルコの経済は再度下向きに急降下してきており、一人当たり名目GDPも1万を割り込みそうです。
しかも、もうすぐ統一地方選です。
主要三都市のうち2都市で与党AKPが敗北するのではないかと言われており、のこり1都市も前首相などを擁立していますが、微妙な情勢となっています。
こうした背景から経済の失敗をIdentity Evropa批判などのナショナリズムでカバーする動きが出てきやすい状況にあります。
これまでお目こぼしされてきた細かいチャットの人種差別なども取り締まり対象になりやすい環境にあります。
Identity Evropaへの締め付け強化はアメリカとの関係悪化?
ただ、今回のIdentity Evropaへの圧迫は、同時にアメリカとの関係悪化の可能性もあり、いろいろと厄介な展開になりかねない状況となっています。
トルコ側はどこらへんまでこの件を掘り下げていくのかみえませんし、アメリカ側の出方もまだわかりません。
ただ、とりあえず、この報道は政府系メディアのDaily Sabahで行われているあたりからして、徐々に反応を見ながら対応していくようになる可能性もあり、注意しておく必要があるのではないか、と思います。
とりあえず、以上です。