LIXIL潮田洋一郎への退陣要求は外資に頼るべきではなかったと思う件

LIXIL潮田洋一郎への退陣要求は外資に頼るべきではなかったと思う件

 

マラソン・アセット・マネジメントやポーラー・キャピタルなど、LIXIL潮田洋一郎の退陣を求める

とうとう外資機関投資家の堪忍袋の緒が切れたようです。

外資機関投資家が、潮田洋一郎LIXIL会長の退任を求めて臨時株主総会の招集を求めているとのことです。

中心となっているのは英系ファンドのマラソン・アセット・マネジメントやポーラー・キャピタルなど5社程度の機関投資家とのこと。

2018年にLIXILの瀬戸欣哉社長が退任されられた人事の経緯が不透明で、LIXILはガバナンス上の大きな問題を抱えているとして潮田洋一郎LIXIL会長の退任を求めるということです。

 

 

潮田洋一郎LIXIL会長を中心としたこれまでの経緯

これまでの経緯を纏めておきます。

まず、LIXILについて書いておきますと、もともとはトーヨーサッシというアルミサッシメーカーでした。

それが1992年にトステムに社名変更

2001年には便器やユニットバスを展開しているINAXと合併することでINAXトステムホールディングスになります。

そして、2011年、INAXトステムホールディングスがLIXILに社名変更

新日軽や東洋エクステリアなども纏め、今のLIXILグループになります。

潮田洋一郎LIXIL会長は、このなかでトーヨーサッシ創業者・潮田竹次郎から数えて三代目にあたります。

歌舞音曲・古典芸能が大好きなお坊ちゃんとして有名ないっぽう、経営能力はあまり高く評価されておらず、父・潮田健次郎氏の在任中には、何があったのかわかりませんが、いちど副社長を解任されてヒラ取締役に降格人事されたこともありました。

そんな方です、潮田洋一郎LIXIL会長は。

 

 

潮田洋一郎LIXIL会長によるプロ経営者招へいと放逐

潮田洋一郎LIXIL会長ですが、自分は会長として君臨する一方で、CEO人事はプロ経営者を呼ぶことが好きな方です。

こういう企業経営形態は欧米のガバナンス体制ではよくある話で、それはそれで悪くないのですが、問題は潮田洋一郎LIXIL会長のやり方です。

自分の意に沿うような経営者を呼んできて海外企業の買収を繰り返し、結果としてデューデリ不足で粉飾を見抜けず、大きな赤字を垂れ流してしまったりだとか・・・

常識的で良好な経営者を呼んできたのに、ちょっと意見が相違しただけで、いろいろ画策して解任してしまったりだとか・・・

(この背景に、潮田洋一郎LIXIL会長が国内市場を見限って、シンガポールに拠点を移して子供に資産を継承させたいのではないか、といった報道がありました。⇒【節税目的か?】LIXIL(リクシル/旧トステム)の潮田洋一郎会長がMBOでシンガポールに本社移転か?)

少なくとも、そういったふうに見えるような行動を2連続でやらかしました。

これに対してはブラックロックなど外資機関投資家を中心として、LIXIL側に人事に疑義を呈する書簡が提出されるなど大揉めに揉めてきました。

そしてとうとう、今回の臨時株主総会の招集となったわけです。

 

 

外資が言い出す前に、潮田洋一郎LIXIL会長の退任を国内機関投資家が求めるべきだった

ぶっちゃけた話、なんで外資が言い出すまで国内機関投資家が動かなかったのか謎です。

はっきりいって、この会社の企業統治は自分から見ても異常でした。

それはマーケットに生きる人なら皆しっていたはずです。

なのに、見て見ぬふりをしてきたのが、日本の村社会化した金融市場だったんじゃないでしょうか。

波風を起こさず、ただただ右から左にお金を流していればそれでよし、

そういう感覚で機関投資家がぼんやりしていた結果が、潮田洋一郎LIXIL会長の暴走だったんじゃないかと思います。

すでに事業が傾いているのは経営指標でわかるはずです。

事業にメスを入れることができていない、それでいてチャラチャラと買収は繰り返して、赤字を出す。

それを見逃していたのは日本の機関投資家でしょう。

 

機関投資家は、個人のトレーダー・山師とは違います。

その国の経済にも大きな影響を与える存在です。

そのことを弁えて、機関投資家は機関投資家らしい行動をしっかりとっていってほしいと思います。

ただ持ち合って仲良しこよしやってたら、関係は腐れ縁になって、腐敗しますから。

以上です。