ノルスク・ハイドロ(Norsk Hydro)のアルミ精錬工場がサイバー攻撃される
ノルスク・ハイドロ(Norsk Hydro)のシステムがランサムウェアに感染
アルミ精錬大手、ノルウェーのノルスク・ハイドロ(Norsk Hydro)のシステムが何者かによってサイバー攻撃を受けたとのことです。
システム異常が発生したのは2019年3月18日。
その後19日には異常なトラヒックの急増を確認。
一時は同社ホームページも確認できない状態になりました。
Aluminium producer Norsk Hydro suffers cyber attack
ノルスク・ハイドロ(Norsk Hydro)に仕掛けられたのはLockerGogaというマルウェア
その後の調査で問題の発生は何者かがしかけたマルウェア(LockerGoga)によるものと判明。
身代金を求める古典的な手口ながら、各種ファイルを暗号化して使えなくしてしまうという非常に有効なマルウェア。
なお、具体的にどれだけの金額を今回の件で要求されているのかはわかりません。
ノルスク・ハイドロ(Norsk Hydro)にとってはシステムダウンの影響は甚大ですから、さっさと払って解決したいという気持ちもあるでしょうが、さてどうなるか・・・
ノルスク・ハイドロ(Norsk Hydro)は上流ボーキサイト、アルミナから下流まで生産するアルミメーカー
ノルスク・ハイドロ(Norsk Hydro)の特徴としては、上流から下流までを手掛ける企業というところになります。
なお、上流のアルミナの生産量でみると、だいたい5位くらい。
ルサール、リオティント、アルコア、チャルコなどの半分程度となっています。
ノルスク・ハイドロ(Norsk Hydro)は名前の通り、ノルウェーおよびブラジルにおける豊富な水力発電による低コストの精錬が売りです。
このアルミナが市場に投入されなくなるというのは、いろいろと厄介です。
ノルスク・ハイドロ(Norsk Hydro)が狙われたわけ~アルミ精錬工場は止められない
ご存知の通り、アルミの精錬には大量の電力が消費されます。
電気の貯蔵庫ともいわれるのがアルミニウムです。
かりに一度でも精錬施設がストップすれば、溶けたアルミが固体になり、電極や壁面にがっちりくっつきます。
当然、復旧には莫大なコストと時間がかかります。
以前、リオティントのアルミナ精錬工場が電力供給不足でストップしたことがありましたが、その時はたしか数千億単位でコストがかかったような・・・(うろ覚え)
今回、ノルスク・ハイドロ(Norsk Hydro)がサイバー攻撃の対象になったのは、そういったクリティカルさを狙ってのものと思われます。
ノルスク・ハイドロ(Norsk Hydro)は手動で生産を維持しているそうだが・・・
とりあえず、ノルスク・ハイドロ(Norsk Hydro)は今でも手動で工場の稼働は維持しているようです。
しかし、このままずっと主導で回すわけにはいかないでしょう。
受注に合わせて最適な生産を出来るようシステム化しているのがこれら企業の特徴ですから。
それが破綻するとなると厄介です。
とりあえず、同社のホームページはまだ多くのページが復旧していません。
色々お疲れ様です。
今後は、この影響が世界の産業に影響しないか、そこが重要になってくると思われます。
以上。