【MAERSK】APモラー・マースク(A.P.Moller Maersk A/S)の業績・決算と株価~海運SOX規制は吉とでるか?

【MAERSK】APモラー・マースク(A.P.Moller Maersk A/S)の業績・決算と株価~海運SOX規制は吉とでるか?

今回は、世界最大の定期コンテナ船会社であり、世界最大の海運会社でもあるAPモラー・マースク(A.P.Moller Maersk A/S)についてみていきます。

APモラー・マースクはコンテナ船会社として有名ですが、

コンテナ船事業だけでなく、ターミナルの運営、陸上輸送、タンカーなどの運営などにも手を広げています。

とりあえず、APモラー・マースクの事業内容からみていきましょう。




 


APモラー・マースクの事業内容

APモラー・マースクの事業内容は以下のようになっています。

定期コンテナ船事業・・・主力となるコンテナ船事業です。世界最大級の船と船隊規模を誇り、MSCとの提携によりグローバルにトップアライアンスを組んでいます。

物流・ロジスティクス事業・・・倉庫業、インターモーダル物流業や陸運業なども付帯的に行っています。

ターミナル・港湾内荷役事業・・・沖中仕を雇って、港湾内における曳航やガントリークレーンによるオペレーションなど、港湾作業の諸々をしています。

製造・その他事業・・・コンテナの作成などをしています。なお以前は海洋掘削事業なども含まれていましたが、2019年の分離が決定しています。

 

 

APモラー・マースクの船隊規模

APモラー・マースクの船隊規模は、2018年時点で以下のようになっています。

APモラー・マースクは15000TEU級以上の大型船を46も自社保有しています。

これがコスト競争力の源泉になっているようです。




 

 

 

APモラー・マースクの業績

APモラー・マースクのここ最近の業績は以下のようになっています。

 

元データの数字でみると以下のようになっています。

とりあえず、あまりよろしくないことがわかります。

定期コンテナ船業界はオーバーキャパシティでどこも苦しい状況です。

日本の海運大手三社もすべてコンテナ船事業は赤字で、統合してコスト削減を目指していますが、非常に苦しい状況です。

コンテナ統合会社ONE(OCEAN NETWORK EXPRESS/オーシャン・ネットワーク・エクスプレス)の業績

他社が赤字垂れ流しの状態でも黒字化を達成できているAPモラー・マースクはやはり凄いのですが、それにしても投資対象としてはあまり魅力的ではなさそうです。

少なくとも過去においては。

 

APモラー・マースクの業績~四半期ベース

APモラー・マースクの四半期ベースの業績は上記のようになっています。

はっきりいって、安定しない業績になっています。

業績の方向性がぐちゃぐちゃで、見通しが効きにくい。

なお、ここもとは世界経済が急速に落ち込む兆しをみせています。

コンテナの輸送量は世界経済の動向に敏感に反応しますので、かなり大きな下押しがある可能性があります。

(特に昨年は、米中通商問題の過熱化で、米国側で在庫を積みます動きがありました。今年はそれがない。落ち込みは大きくなる可能性があります。)

 

 

APモラー・マースクの株価

 

月足

日足

APモラー・マースクの株価は、長期的にも短期的にも停滞局面となっています。

とりあえず、ここもと事業環境は急速に悪化しています。

2018年は米国の在庫積み増し局面にありましたが、それが2019年にはなくなります。

海上の荷動きは大きく落ち込む可能性があります。

2016年から株価の下値支持はしっかりとできていますが、ここを抜けてくると一気に落ち込む可能性もあり、そこには注意が必要です。

 

APモラー・マースクとSOX規制

なお、APモラー・マースクをみるにあたっては、2020年からのSOX規制が一つの転機になる可能性があります。

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同社は先んじて規制対応をしてきており、それでいて黒字なので体力があります。

他の企業が対応できずにコンテナ輸送コストが急上昇すれば、APモラー・マースクにとっては非常に良好な市場環境になります。

とりあえず、そういった部分まで考えて、見ていくと良いと思います。

以上です。