【TWLO】トゥイリオ(Twilio)の業績・決算と株価

【TWLO】トゥイリオ(Twilio)の業績・決算と株価

今回はAPIベースで通話機能を提供するトゥイリオ(Twilio)についてみていきます。

トゥイリオ(Twilio)はいわゆるクラウド銘柄のひとつであり、高い売上伸び率を示している一方、ひたすら赤字を垂れ流しています。

まずはそんなトゥイリオ(Twilio)について、その事業内容からみていきましょう。




 

トゥイリオ(Twilio)の事業内容

トゥイリオ(Twilio)の事業内容は、ひとことで言ってしまうと

「通信インフラのクラウド化」

と言えると思います。

顧客にAPIベースで電話機能やテキストメッセージング機能を提供し、顧客はその利用量に応じて料金を支払う・・・というサービスになっています。

 

具体的には

  • かかってきた電話に対して自動音声を流す
  • プッシュオンによるナビゲーションを提供する

という機能がもともと提供されていましたが、さらにこれに

 

  • スマホへの発呼機能を利用した二段階認証システムの提供(Authy)
  • 配車アプリなどで利用するための外部APIとの連携(地図情報など)

 

などの機能も追加。

顧客企業においては、自社で自動応答サービスのためにサーバーを構築・管理するよりもトゥイリオ(Twilio)を導入する方が開発が容易。

これまでシスコ(Cisco)やアバイア(Avaya)などのシステムを構築した場合数か月、ものによっては一年以上かかり、数億円のコストがかかっていたものの、トゥイリオ(Twilio)ならば従量課金で当初のコストがかからないので資金の少ないスタートアップにも最適。

しかもトゥイリオ(Twilio)を導入した顧客企業のユーザーにとっては、利便性やUIの快適性が向上するなどの恩恵があるとされ、非常に人気のサービスとなっています。

 

トゥイリオ(Twilio)のリスク

ただ個人的には、近年になってややトゥイリオ(Twilio)の事業に問題点もみえてきたように思っています。

トゥイリオ(Twilio)は、たしかに開発しやすさ、当初のコストの安さなどの点では魅力的であり、実際に売り上げも伸びています。

しかし、同時にある程度の規模の企業にとっては、やはり自前構築した方がコストが低減できるようになる、、、のもまた事実でしょう。

実際、配車大手のウーバーはこれまでトゥイリオ(Twilio)を利用してきましたが、今後は内製化に向けていくとの方針を示しました。

結局、トゥイリオ(Twilio)のサービスというのは、最初にカネがない事業者にとってはいいのですが、ある程度の規模になってコスト削減を優先できる環境になってくると切り捨てられやすいサービスなのかもしれない、と個人的には感じています。

 

また同時に、トゥイリオ(Twilio)の強みは既存の電話網とインターネットプロトコルとの橋渡しの役割を果たすところに意味がありましたが、今後この二つはガッツリと融合していきます。

そうした未来において、果たしてトゥイリオ(Twilio)の事業がどれだけ重要性を持つのか、個人的にはやや疑問を感じたりもします。

トゥイリオ(Twilio)が黒字化して運用フェーズに到達する前に、事業の多くが不必要になっていく場合もありうる、というのが個人的に感じるリスクであります。

 

 

トゥイリオ(Twilio)の業績

トゥイリオ(Twilio)の業績は上記の通りです。

売上は非常に高い伸びを示していますが、同時に赤字もすごい勢いで伸びています。

現在は金融緩和環境にありますから、投資家がどんどん資金を注ぎ込んでくれます。

同社が活発に事業を行えるのは、事業自体の先見性もありますが、同時に金融緩和のおかげでもあることはわすれてはならないでしょう。

 

トゥイリオ(Twilio)は上記の通り、株式ベースの報酬を除けば営業利益は出るようになってきました。

多分この表を見せる目的は、そういう意図でしょう。

ただし、ここで重要なのは、トゥイリオ(Twilio)で働いている人たちは、ストックオプションなどの株式ベースの報酬があるから、トゥイリオ(Twilio)で今の賃金水準で働いているということです。

もしこの報酬がなければ賃上げを要求するか、立ち去って別の事業者に転職するか、自分で事業を立ち上げようとするはずです。

ですから、根本的な問題として、こういった報酬を外して決算を見る態度というのは全く無意味です。

 

 

 

トゥイリオ(Twilio)の株価

トゥイリオ(Twilio)の株価は上記のようになっています。

このチャートですから、弱気になるのがアホらしくなると思います。

押したところはとりあえず買っておけばいい、という意識が広がっているようにみえます。

買っておかないと成長の果実から取り残されそう、という意識で買いが殺到しています。

ただこういう時こそ、リスクに関しては十分に意識をしておいた方がいいと思います。

その最大のリスクは、トゥイリオ(Twilio)自体の事業にあるものではありません。

 

 

トゥイリオ(Twilio)の株価推移で注目すべき点

トゥイリオ(Twilio)の株価推移において一番の注目点は、金融緩和が終わるかどうか、それだけだと思われます。

カネあまり相場が終わるかどうかだけです。

今のところ、物価は非常に落ち着いており、金融緩和傾向にあります。

個人的には、同社などの赤字クラウド銘柄は、99年~00年のハイテクバブルのような動きにみえます。

今後、最後の花火が打ちあがるかどうか、そこに注目です。

 

なお、上記はあくまでも個人的見解であります。

特定の投資スタンスをお勧めするものでもありません。

投資にあたっては自己責任で行うようお願いいたします。

以上。